サンライズ、バンダイナムコアーツなど、映像事業会社と音楽・ライブ事業会社に再編

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 バンダイナムコグループは、アニメ関連事業を手がけるサンライズ、バンダイナムコアーツ、バンダイナムコライツマーケティング、バンダイナムコライブクリエイティブ、サンライズミュージックのグループ会社を再編し、それぞれ「映像事業」と「音楽・ライブイベント事業」を中核とした2つの会社に統合すると発表した。
 映像事業会社はサンライズとバンダイナムコアーツの映像部門、さらにバンダイナムコライツマーケティングを統合したものになる。バンダイナムコアーツは映像事業部門を分割し、サンライズがそれを吸収する。バンダイナムコライツマーケティングはサンライズに吸収合併され、消滅会社となる。サンライズが映像事業の存続会社となる。
 バンダイナムコアーツには音楽事業とライブ事業が残る。ここにライブ事業のバンダイナムコライブクリエイティブとサンライズ子会社のサンライズミュージックが吸収され、音楽・ライブイベントを中心としたもうひとつの事業会社となる。バンダイナムコアーツが存続会社だ。

 事業再編は10月に関係各社がそれぞれ取締役会で決議した。2022年2月に契約を締結し、3月の臨時株主総会で承認を目指す。4月1日には、再編された2つの会社が誕生する。
 映像事業会社はサンライズが存続会社となり、「映像コンテンツを中心としたIPの企画・制作・管理・運用をする」としている。一方で本社は現在バンダイナムコアーツの拠点がある渋谷区を予定している。社名を未定としており、事業統合後に社名を変更する可能性がありそうだ。代表取締役に誰が就任するかも未発表だ。また音楽・ライブイベント事業新会社も社名は未定、代表取締役もこれからになる。

 サンライズは1972年に設立された創映社に源流のある老舗のアニメ会社。『機動戦士ガンダム』や「ラブライブ!」シリーズなど数多くのヒット作を持ち、アニメーション制作で日本有数の規模を誇る。
 バンダイナムコアーツは1983年創立のアニメ企画・映像ソフトのバンダイビジュアルと1999年創立の音楽会社ランティスが2018年に統合して誕生した。今回の再編では、この旧バンダイビジュアルの部分が映像事業会社に移り、ランティスの部分が音楽・ライブイベント事業に残るとみてよさそうだ。
 バンダイナムコライツマーケティングは、2002年にバンダイチャンネルとして誕生。2015年に現在の社名に変更している。映像配信プラットフォーム「バンダイチャンネル」を運営するほか、配信番組のアグリゲーションや配信関連事業を広く手がける。

 再編についてバンダイナムコグループは、「映像事業」「音楽・ライブイベント事業」を集約することで、各社のノウハウや強み、ネットワークが共有できるとする。また保有するIPや楽曲の効果的な活用を図るとしている。
 今回の再編は、長年課題になってきたバンダイナムコグループ内のサンライズとバンダイナムコアーツの事業重複の解消も大きな理由とみられる。かつてはサンライズがアニメーション制作を中心とし、バンダイビジュアル(現バンダイナムコアーツ)は製作・映像ソフト事業と棲み分けがされていた。
 しかしアニメビジネスにおいてライセンス事業が重要になるなかで、サンライズはIP創出を掲げてガンダムなどの権利活用を拡大、製作出資も強めている。バンダイナムコアーツもDVD・ブルーレイの市場が縮小するなかでライセンス事業の強化を目指すことになり事業重複が拡大した。さらに2017年にはアクタスを子会社化してアニメーション制作にも進出した。
 これらがひとつの会社にまとまることで、事業の整理が今後は進みそうだ。さらにアニメの企画・製作・制作・映像ソフト・配信・ライセンス運用まで、川上から川下まで一気通貫した体制が組まれる。世界的にアニメ市場が拡大し、そして競争が激化するなかで、組織の力を一点に集めることで勝ち残りを目指す。

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