国内アニメ企業大手のトムス・エンタテインメント(TMS)が、韓国の劇場アニメを買付けし、日本でビジネス展開する。2021年7月8日、TMSはチョ・ギョンフン監督の韓国アニメ『整形水』を、エスピーオーと共同にて日本国内で配給、9月23日に全国公開すると発表した。
『整形水』はTMSが海外から獲得し、日本展開する初作品をとなる。老舗アニメスタジオの新たなビジネス進出のひとつだ。
『整形水』は、誰もが美しくなれる奇跡の水をきっかけに奇怪な事件に巻き込まれていくヒロインを描いたサイコホラー作品だ。韓国では『奇々怪々』のタイトルで2020年に公開され話題を呼んだ。
原作はウェブで展開しており、世界での累計閲覧数は31億回を超える人気となっている。日本でも、マンガアプリ「LINEマンガ」でオムニバス作品『奇々怪々』として配信中されている。
TMSは『名探偵コナン』や『ルパン三世』、『それいけ!アンパンマン』など、数々の人気作のアニメーション制作を担当している。しかし長年のビジネスのなかで制作だけでなく、宣伝や配給も含めたプロデュース機能の蓄積もある。
そこでこうしたノウハウを自社制作作品以外にも活用するプロジェクト「UNLIMITED PRODUCE by TMS」を立ち上げたばかりだ。従来の枠にとらわれないチャレンジを目指すものだ。
今回の海外作品配給もそうした取り組みのひとつになる。海外買い付けの分野でも、従来のトムスの枠を超えてチャレンジする。すでに『整形水』以外の複数の買い付け候補作品も待機しているという。一作だけにとどまらず、今後もさらにビジネスを拡大することになりそうだ。
『整形水』
https://seikeisui.jp/
9月23日日本公開
2020年/韓国/85分/カラー/ビスタ/5.1ch/英題:BEAUTY WATER/翻訳:小西朋子/PG12
原作:オ・ソンデ(LINEマンガ『奇々怪々』内「整形水」)
監督:チョ・ギョンフン
提供:トムス・エンタテインメント
配給トムス・エンタテインメント/エスピーオー