デジタル・フロンティアがNetflixと複数年契約、実写番組で日本初

映画

 アニメ番組制作で日本企業とのパートナーシップで成功を収めるNetflixが、実写分野でも日本の制作スタジオと協力を深める。2021年3月15日、日本有数のCGプロダクションであるデジタル・フロンティアはNetflixtと複数年、複数作品にわたり制作協力する業務委託契約を締結したと発表した。
 この契約でデジタル・フロンティアは、Netflixのデジタル・プロダクション部門が主体となる作品、Netflixとそのパートナー制作会社が製作するNetflix オリジナル作品で、複数年にわたりVFXやバーチャル・プロダクションといったVFXなどの映像制作リソースを提供する。参加する作品やプロジェクトは、それぞれ両者の協議と合意に基づくとしている。Netflixは国内のVFX・CGで定評のあるデジタル・フロンティアと長期的な関係を結ぶことで、オリジナル実写作品で安定したクオリティを確保することになる。

 デジタル・フロンティアは1993年に設立、2010年よりフィールズグループとなっている。約250名のスタッフを擁する国内を代表するCGスタジオである。映画『GANTZ:O』、『アイアムアヒーロー』など代表作は数多い。アニメ分野では『荒野のコトブキ飛行隊』、『biohazard DAMNATION』などを制作、『おおかみこどもの雨と雪』や『バケモノの子』といった細田守作品のCGでもお馴染みである。
 Netflixとは2020年12月に配信をスタートし大ヒットとなった『今際の国のアリス』で映像制作リソースを提供している。グローバル水準の映像づくりで話題を呼んだ作品だ。

 Netflixはすでにアニメーション制作で、国内8社のスタジオと包括業務提携を結んでいる。このなかにはアニマ、サブリメイションといったCGスタジオも含まれていた。しかし実写VFXで日本 のプロダクションと継続的な契約を結ぶのは初だ。
 これまでNetflixの日本制作のオリジナルコンテンツはアニメが話題になることが多かった。しかし2019年の『全裸監督』、2020年の『今際の国のアリス』のヒットで今後は実写作品にも大きな注目が集まりそうだ。なかでもNetflix が得意とするSFやファンタジーといった分野は成長の可能性が高い。そうした映像表現を可能にするデジタル・フロンティアとの契約は、今後の成功の鍵のひとつになりそうだ。

デジタル・フロンティア
https://www.dfx.co.jp/

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