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ソニー・ピクチャーズ、東南アジアのアニマックスとAXNなどを売却
- 2020/1/9
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ソニー・ピクチャーズのテレビ放送部門ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン(SPT)が、傘下の放送局のうちアジア地域のアニメ放送局などを売却した。1月7日にヴァラエティなど米国の主要メディアが伝えている。
報道によれば、SPTは東南アジア地域で運営する「アニマックス(ANIMAX)」と映画・ドラマ放送の「AXN」、そして韓国エンタテイメントチャンネルの「Sony One」を、KCグローバル・メディア(KC Global Media)に譲渡売却した。KCグローバルは、SPTの元役員であるアンディ・キャプラン氏とジョージ・チェイン氏が設立したベンチャー企業。SPTに代わり、チャンネルの運営を続ける。
ソニー・ピクチャーズはソニーが100%出資する映画事業の完全子会社で、SPTはそのテレビ番組部門にあたる。世界各国に放送局を持ち「AXN」、「ANIMAX」、「CRACKLE」、「SONY CHANNEL」などのブランドで有料放送を展開する。
このうちANIMAXは日本の人気アニメを中心にプログラム構成しており、海外の日本アニメファンが作品に触れる貴重な放送メディアとなっている。アジア会社の放送地域はフィリピン、タイなど東南アジア各国、香港、パキスタン、それに台湾も含まれている。契約世帯数は直近で1090万世帯である。
またAXNは台湾、香港、さらに東南アジア全体で1700万世帯、ONEはマレーシア、インドネシア、シンガポール、ブルネイの4ヵ国で330万世帯を持つ。取引全体の契約数の合算は2000万世帯を超える。
ただし今回の取引には、日本のアニマックス、AXNは含まれない。国内のソニー・ピクチャーズ(SPEJ)は米国ソニー・ピクチャーズとソニーの共同出資になっており、独自の経営となっているためだ。
さらに国内アニマックスは、SPEJと三井物産の共同出資会社AK Holdingsとサンライズ、東映アニメーション、トムス・エンタテインメント、日本アドシステムズが株主となっている。
また成長著しいインドの有料放送事業も今回は取引の対象外となっている。東南アジア地域に特化した譲渡になる。
映画やテレビ番組の配信が急激に普及するなか、有料テレビのビジネスは世界的に伸び悩んでいる。そこで今回、ソニー・ピクチャーズはそうした事業の一部を切り離したとみられる。
それでもソニー・ピクチャーズは現状で大規模な映像配信プラットフォームに未進出で、今後の予定も発表していない。放送局を売却することで、経済成長の続く東南アジアへのテレビドラマやアニメの供給ネットワークがなくなる。ANIMAXは日本アニメの放送が多いだけに、国内アニメ関係者にも気になるところだ。
経営を引き継ぐSPT出身者による新会社が、どのように番組編成をするのか、またどのようにチャンネルをプロモーションするのかが、今後の行方を決めそうだ。