「失くした体」11月22日より日本公開 Netflix、劇場も配信も世界同時展開

『失くした体』

 カンヌ、アヌシー、ロサンゼルス、そして先頃の新千歳と、世界の映画祭を席巻するアニメーション映画『失くした体』が11月に日本で劇場公開される。映像配信プラットフォームNetflixは、2019年11月22日(金)より本作を日本の一部の劇場で公開すると明らかにした。
 Netflix は本作の世界配給権を獲得し、11月29日からの世界同時配信を決定している。配信に先立ち日本でも劇場で作品を楽しめるというわけだ。

 『失くした体』は短編アニメーションでこれまで高い評価を築いてきたジェレミー・クラパン監督が手がけた初の長編映画である。ある男から切断された手が本体を求めてパリの街をさまよう不思議なストーリーだ。その中で男の過去と現在が交差しながら語られる。
 ワールドプレミアは今年のカンヌ国際映画祭批評家週間。ここでアニメーション映画として初めて最優秀賞に輝いた。受賞直後にNetflixが世界配給権を獲得したのも話題となった。
 その後アヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門グランプリ、観客賞、Animation is Film映画祭グランプリ、先頃の新千歳空港国際アニメーション映画祭グランプリと世界のアニメーション映画祭を席巻している。2019年の大注目作だけに劇場公開も話題になりそうだ。

 もうひとつ注目したいのは、日本展開の早さだろう。各国の映画祭で上映されてきた本作だが、劇場公開は11月7日のフランスが初めてだ。米国公開は11月15日である。
 これまで海外のアニメーション映画は、欧米から大きく遅れて日本公開されることが大半だった。今回は異例に早い日本上映となる。スピード上映には理由がある。Netflixの配信は世界同時だから、公開をその前に設定するとこちらも世界同時展開にならざるえない。
 
 配信ビジネスが中心のNetflixが劇場上映をするのも理由がある。テレビシリーズと違い長編作品は劇場で観ることに価値があり、そこで初めて映画として見られるとの風潮はまだまだ根強い。多くの監督や制作者もまずスクリーンサイズを意識して作品を撮っている。
 さらにこれから活発化する映画賞レースでは、劇場公開は必須条件だ。賞レースに参加するためにも配信前の公開が必要になる。Netflixでは『失くした体』以外にも、『キング』、『アースクエイクバード』、『アイリッシュマン』、『マリッジ・ストーリー』、『2人のローマ教皇』を次々に公開する。いずれもアワードを狙える作品だ。
 エントリー条件を満たすことで『失くした体』も、米国アカデミー賞長編アニメーション部門の有力候補に浮上しそうだ。一方で上映一週間ですぐに配信開始といったスケジュールでの候補作は、米国の映画業界に大きな波紋を呼びそうだ。

『失くした体』
11月22日(金)より一部劇場で公開 配信日:11月29日(金)
監督: ジェレミー・クラパン 
脚本: ジェレミー・クラパン、ギョーム・ローラン(原作:ギョーム・ローラン著作「Happy Hand」)
制作プロダクション: シーラム・アニメーション・プロダクション

『キング』
劇場公開日:10月25日(金)| 配信日:11月1日(金)
『アースクエイクバード』
劇場公開日:11月8日(金)| 配信日:11月15日(金)
『アイリッシュマン』
劇場公開日:11月15日(金)| 配信日:11月27日(水)
『マリッジ・ストーリー』
劇場公開日:11月29日(金)| 配信日:12月6日(金)
『2人のローマ教皇』
劇場公開日:12月13日(金)| 配信日:12月20日(金)

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