エンタテインメント大手のバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)は、アニメーション制作の国内最大手である東映アニメーションの保有株式を大幅に買い増しすることを明らかにした。バンダイナムコHDは、現在、東映アニメーションの議決権のある株式の2.04%28万株保有する。2017年7月19日付で123万2400株を買増し、持株比率は11%に上昇する。
東映アニメーションの7月19日の株価は終値で7950円。バンダイナムコHDの取得金額は100億円近くに達する
バンダイナムコHDは今回の株式の取得について、東映アニメーションとのビジネス関係をより強固にするためとしている。バンダイナムコHDは、東映アニメーションが制作する「プリキュア」シリーズや「ドラゴンボール」シリーズなどのIP(知的財産)の玩具やゲームソフトのライセンス供与を受けるなど、ビジネスのつながりが大きい。
東映アニメーションは近年、海外事業の拡大で、好調を続けている。2017年3月期は売上高407億円、経常利益103億円と過去最高を予想している。こうした業績の好調も株式取得の背景にありそうだ。
東映アニメーションは、大手映画会社・東映の子会社で同社が株式の34.2%を保有する。次いで、テレビ放送を通じてつながりの深いテレビ朝日が15.3%で第2位株主、フジ・メディア・ホールディングスが10.3%で第3位株主となっていた。今回の買い増しでバンダイナムコHDは、フジ・メディアHDを超え、第3位の株主に浮上する。
ビジネスにおけるバンダイナムコHDの存在感は、今後増しそうだ。もともと安定株主の多い東映アニメーションであるが、今回の株式取得で株主の厚みが増すことになる。