トリガーが本格的に取り組んだオリジナル長編アニメ『プロメア』が2019年9月20日から北米公開される。本作の北米配給権を獲得した米国のGKIDSが配給を手がける。
また米国公開に先立って、9月17日と19日の2日間、米国とカナダで大規模なイベント上映を予定している。GKIDSと映画館上映イベント大手のFathom Eventsが協力をする。こちらは700スクリーン以上での規模を予定している。いずれも字幕版と吹替え版が用意される。
『プロメア』は人気クリエイターが多く所属することで知られるアニメスタジオのTRIGGERが、初めて1時間を超える長さで制作したオリジナル長編アニメとして日本でも話題を呼んだ。国内では5月24日に劇場公開、先日興行収入が10億円を超えたことも話題を呼んだ。
新しい映像表現に挑戦を続けるTRIGGERの作品は、北米では特に人気が高い。TRIGGERもこれに応えて米国で多くのファンイベントを実施、クラウンドファンディングでも注目を集めてきた。
2019年7月5日にはロサンゼルスのアニメイベント「Anime Expo 2019」で、『プロメア』の北米プレミアも開催している。この際は3000人収容の会場が満員、入場できないファンもでるほどの大盛況となった。こうした勢いが秋からの公開で続くことが期待される。
GKIDSは北米のアニメーション配給の有力企業で、近年は日本作品に力を入れている。今回は海外販売を担当する東宝とGKIDSの交渉で成立した。GKIDSは2018年から2019年にかけて『天気の子』、『海獣の子供』、『未来のミライ』、『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』といった作品の配給権も獲得している。
日本アニメに強いとされてきたGKIDSだが、それでも今回の『プロメア』獲得はやや意外だ。GKIDSは、良質なファミリー・キッズ向け、または芸術色が強い作品を扱う傾向にあったからだ。ロボットが登場し、派手なアクションが満載の『プロメア』はこうした従来の流れとはやや異なる。
『プロメア』の権利獲得についてGKIDSは「TRIGGERはとんでもないリスクテーカーで映像表現の限界を何度何度も超えて行く」と説明する。エンタテイメント満載であると同時に芸術的にも高みにある、そんな評価が今回の配給の理由なのかもしれない。