タツノコプロ「ムテキング」が新作リブート 歌える主演・男性声優オーディションも実施

原作:「とんでも戦士ムテキング」 (C)タツノコプロ

 2019年6月1日、タツノコプロはテレビアニメ『MUTEKING THE DANCING HERO』の製作を発表した。作品はタツノコプロの往年の人気アニメ『ムテキング』を原作にする。
 また本編制作に合わせ手、作中の主役を演じる声優を一般公募するオーディションを開催することも明らかにした。新作アニメに合わせて、新しい才能の発掘を目指す。

 原作になる『とんでも戦士ムテキング』は、1980年9月から1981年9月まで約1年間全56話にわたり放送された。スタジオの得意とするヒーローものとギャグアニメを融合させ、タツノコプロらしい作品となっている。
 サンフランシスコをモデルにした街を舞台に、当時でも目を惹く斬新なデザイン、そして音楽要素を大胆に取り入れた。アニメの多様化が急激に進んだ80年代ならではの作品でもある。
 新作では原作の持ち味を引き継ぎ、新時代ながらの新しさを盛り込む。制作チームには、これまでのアニメにないような気鋭のデザイナーやアーティストも参加するという。クールでポップな作品を目指す。

 原作で重要なパートを占めた音楽要素は、今回も同様だ。それを象徴するのが、主役声優のオーデイョンである。こちらはタレントエージェンシーの大手ホリプロインターナショナルが主催する。
 オーディションでグランプリを獲得するとホリプロインターナショナルとの専属契約が提供され、主役のムテキング役で声優デビューが約束される。さらにキャラクターソングでのデビューも決まっている。逆に言えば、声の演技に加えて、歌唱の才能も求められる。
 ムテキングのキャラクターは男性のため、募集対象も男性となる。そして2020年3月31日時点で15歳以上22歳以下、アニメ・声優・歌手活動に興味があることが条件だ。

 近年アニメでは声優がタレントとして人気を博するケースがますます増えている。声優に歌やダンスなどのアーティスト活動が求められる傾向も強くなっている。
 そのなかでオーディションを通じた才能発掘は活発だ。しかしこれまでは女性声優・アーティストに特化したオーディションは多いが、男性だけに絞ったものは珍しい。男性声優の人気が高まる中で、ホリプロがここにビジネスチャンスを見出し、積極的に乗り出してきた。

『MUTEKING THE DANCING HERO』
https://muteking.jp

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