エンタテインメント大手のバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)が、東映の株式を買い増した。バンダイナムコHDが2016年9月26日に関東財務局に提出した大量保有報告書によれば、同社は9月16日付で東映の株式を新たに200万株取得した。取得単価は805円、取得価額は約16億円になる。保有目的はビジネスパートナーとしてのより強固な関係を構築するためとしている。
東映が9月17日に明らかにしていた大株主状況では、バンダイナムコHDは713万株(持株比率4.82%)の第3位の大株主であったが、今回の取得株式と併せて保有株数は913万株、持株比率は6.18%に上昇する。一方で持株比率1位のテレビ朝日(11.3%)、2位のTBSテレビ(8.22%)を超えないことから引き続き第3位の株主にとどまる。
東映は自社が製作する特撮テレビドラマ・映画のスーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズの玩具や関連商品を通じてバンダイナムコグループとはビジネスの関係が深い。
また東映はアニメーション製作の東映アニメーションの株式を40.23%保有、持分法適用会社としている。東映アニメーションは「プリキュア」シリーズ、「デジモン」シリーズを製作するほか、『ONE PIECE』や「ドラゴンボールZ」シリーズなどの人気アニメを多数手掛けている。バンダイナムコHDは東映アニメーションとも取引が多く、株式も28万株保有しており、保有比率は2%(2016年3月31日現在)となっている。
東映の大株主にはテレビ朝日のほか、TBSテレビ、フジ・メディア・ホールディングス、日本放送網の放送会社、東京急行などが並ぶ。このなかでバンダイナムコHDとは2007年に資本・業務提携を目的に株式相互持ち合いを実施していた。
一方で東映は浮動株も多く、バンダイナムコHDの株式買い増しは経営の安定につながる。同時に、人気作品やキャラクターを通じた、より緊密なビジネスが可能になる。同様にバンダイナムコHDにとっても重要なIPを生み出す東映との資本関係の緊密化は、ビジネスの推進つながるだろう。