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2017年国内映像ソフト売上高8.3%減、1876億円 日本アニメ(個人向け)は反転微増
- 2018/3/13
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一般社団法人 日本映像ソフト協会は、2018年3月12日に「JVA 2017 年年間統計調査結果」を発表した。2017年のDVDとBlu-rayの国内販売動向をまとめたものだ。
2017年の全てのジャンル・メディアを合わせた総売上高は、1876億7000万円で前年比8.3%の減少になった。13年連続のマイナスで、売上高2000億円割れは1987年以来、30年ぶりとなる。市場の縮小傾向に歯止めがかかっていない。売上が最も大きかった2004年の3753億円の半分になった計算だ。業界全体に厳しい状況が続いている。
インターネット配信を通じた視聴が広がるなかで、視聴のニーズの一部が配信に移ったことが大きな理由とみられる。とりわけレンタル向け販売の落ち込みが13.1%減と大きく、需要がネット視聴に奪われていることを感じさせる。個人向け販売は7%減だった。
そうしたなかで、アニメファンの購入の占める割合が高い「日本アニメーション(一般向け)」は堅調だった。個人向け販売の売上高429億3100万円は、2016年の418億1900万円から2.6%の増加になる。4年ぶりに反転した。
7月26日に発売された『君の名は。』の大ヒットに牽引された。本作は2016年8月に劇場公開され、邦画史上歴代2位の興業となったが、映像ソフトでも人気が続いた。60万枚以上の販売となった『君の名は。』は、2017年の日本アニメの売上全体のおよそ1割を占めたとみられる。逆に『君の名は。』を差し引いた他の作品は依然厳しい環境を強いられたとみられる。
またここでもレンタル向けの低調が響いている。「日本アニメーション(一般向け)」のレンタル向け売上高は67億9400万円で18.8%減と厳しい落ち込みだ。個人向け・レンタル販売向けを合算すると0.9%の微減497億2500万円となり、500億円の大台を割った。
さらにキッズ向けの作品を含めた日本アニメ全体の売上高は543億9000万円(1.6%減)、海外アニメーションも含めると609億8100万円(1.6%減)である。「日本アニメーション(一般向け)」個人向け以外が伸び悩んでいることが判る。
また全体のジャンル別では「日本アニメーション(一般向け)」のほか、「邦画」、「日本のTV ドラマ」が大きく伸びた。しかし近年好調を続けていた「音楽(邦楽)」が個人向け販売で28.9%減(412億2900万円)と不調であった。
これによりジャンル別シェアで「日本のアニメーション(一般向け)」が30.2%とトップとなった。日本の映像ソフト産業全体に占めるアニメの役割は依然、大きい。