国際空港に隣接したシネコンや施設を会場にするユニークな新千歳空港国際アニメーション映画祭が、2018年に開催5回目を迎える。5年の節目を機に、映画祭の機能をさらに拡大することになった。
映画祭事務局は、3月13日に2018年の開催日が11月2日から5日の4日間になることを明らかにした。また、今年より新たに長編コンペティション部門、学生コンペティション部門を設置することを発表した。
映画祭のコンペティション部門はこれまで短編作品が中心で、グローバルな作品を対象にするインターナショナルコンペティション、日本の作品を対象とする日本コンペティション、さらに音楽部門ミュージックアニメーションコンペティションの3つを設けていた。今回の増設で主要3部門から主要5部門体制に変る。より豊かで幅広い作品が揃った映画祭になりそうだ。
新千歳空港国際アニメーション映画祭は、2014年にスタートした。アニメーション文化の豊かさで知られる日本だが、海外作品も積極的に受け入れるコンペティション部門を持つアニメーション映画祭は決して多くない。
その中で新千歳は、確かなセレクションをベースにしたグロバールスタンダードな国際映画祭として成功している。またアニメーション作家の作品とテレビアニメを並列して扱う、ゲームにも注目するなど、時代の潮流を積極的に捉えようと新しい試みに積極的だ。
設立から間もないが、2017年のコンペティションには世界85ヵ国・地域から2037作品ものエントリーがあった。すでに海外の大型映画祭に並ぶ規模となっている。新千歳のコンセプトとセレクションが、グローバルに関心を集めている現れといってもいいだろう。
一方で新千歳には、海外の主要なアニメーション映画祭の大半が設けている学生部門がなかった。また長編アニメーションの存在感の拡大も世界の新しい動きであるが、この領域もカバーしていなかった。
今回、両部門のコンペを設けることで、新しい才能の発掘や交流、さらに長編映画のトレンドもキャッチアップが可能になる。映画祭としての重要性もより高まるだろう。
両部門とも、2018年4月16日から作品のエントリーを開始する。短編は8月下旬、長編は9月下旬~10月上旬にノミネートを発表する。映画祭の会期中、11月5日に授賞式が開催され、各アワードが発表される。
第5回新千歳空港国際アニメーション映画祭
http://airport-anifes.jp/