国内の幅広い音楽作品の権利情報を幅広くカバーした検索サイトが、2018年2月1日より1ヵ月限定でオープンした。権利情報集約化等協議会が管理・運営する「音楽権利情報検索ナビ」である。
このデータベースは、国内のコンテンツのデータや権利情報の集約、保存を目指す国の事業の一環として構築された。複数の音楽関係団体から構成される権利情報集約化等協議会が、平成29年度文化庁「コンテンツの権利情報集約化等に向けた実証事業」として実施している。
日本に存在する音楽コンテンツは膨大であることから、今回はまずCDとして発行されている作品に絞ってデータ化を目指した。複数の音楽業界団体がそれぞれ組織の枠組みを超えて情報を提供することで、これまでにない幅に広い音楽をカバーすることが可能になったのが大きな特長だ。
まずは協議会に参加した団体・事業者が独自に保有するデータを統合して、基本データベースを構築した。日本レコード協会が保有する製品やその収録曲のデータ、 JASRACやNexToneといった著作権管理団体の持つ作品データ、日本芸能実演家団体協議会(CPRA)が持つ実演家データも加える。
さらに協議会には、インディペンデント・レコード協会(IRMA)、インディペンデント・レーベル協議会(ILCJ)が参加している。これによりこれまでデータベース化されていなかったインディーズ系レーベルの作品情報が多く加わった。
日本ネットクリエイター協会(JNCA)からは、ボカロPなどネット系クリエーターの楽曲データが提供されている。これまで著作権情報が充分でなかったジャンルだけにデータベースの構築とその情報提供は大きな価値があるだろう。
サイトは誰でも登録することで利用が可能だ。検索エンジンとして、権利者や作品の情報、 製品番号などの情報を得ることが出来る。
しかし今回の検索サービスの提供は2018年2月1日から28日までの一ヶ月のみとなっている。構築したデータベースのニーズの把握や、ユーザービリティの検証が目的となっているためだ。検証を経て、今後は著作物の一元的な権利処理のプラットフォーム構築につなげる。
音楽権利情報検索ナビ http://www.music-rights.jp/
[情報提供団体・事業者]
日本レコード協会(RIAJ)
インディペンデント・レコード協会(IRMA)、インディペンデント・レーベル協議会(ILCJ)
日本ネットクリエイター協会(JNCA)
日本芸能実演家団体協議会(CPRA)
日本音楽著作権協会(JASRAC)、NexTone