プロデュース作品減少が響く 創通の通期決算、二桁の減収減益

ファイナンス決算

 アニメ企画・製作の創通の2017年8月期業績が伸び悩んだ。2017年10月6日に発表した連結決算は、売上高が195億6500万円の14.3%減少で5年ぶりに200億円を割った。
 また営業利益は30億2500万円(13.5%減)、経常利益は29億6800万円(15.2%減)、当期純利益は20億4200万円(10.6%減)だった。いずれも二桁減少と2010年代前半に見せた成長の勢いに陰りが見える。

 売上と利益の減少は、アニメ製作・企画が中心のメディア事業の影響が大きい。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2章や『それいけ!アンパンマン』といった作品はあったもののプロデュース作品数が前期より減少したことが響いた。これがアニメ制作の受託収入、提供料収入の減少につながった。またキャラクター関連の大型プロモーションや広告案件も減少した。
 メディア事業の売上高は138億3500万円(20.3%減)、営業利益8億4400万円(28.7%減)である。

 ライツ事業の売上高は52億1200万円(0.1%減)で前期並み。営業利益は22億500万円(5.6%減)である。
 「ガンダム」シリーズのライセンス事業は、ほぼ計画通りとなった。ガンダムシリーズ以外では、新作の大きなヒット作はなかったが、過去作品の配信関連のライセンス収入の増加が支えた。
 全体売上高に占める割合は小さいが、イベント事業が成長している。2015年8月期の2億6700万円、16年の2億9700万円から、17年は4億8200万円まで拡大した。これまで運営してきた国内外のアニメ・キャラクターイベントのC3とソニー・ミュージックンタテインメントの子会社のSOZO が開催してきたAFA(Anime Festival Asia)を期中に統合した効果がでている。2017年は従来のシンガポール、香港、東京に加えて、タイ・バンコク、インドネシア・ジャカルタのイベントが加わった。2018年は16年に開催されたが17年は実現しなかった中国・北京のイベントも目指す。18年8月期のイベント売上高は8億円を見通している。

 来期は全体でも、増収増益を目指す。売上高は210億円、営業利益は31億2000万円、経常利益は31億3000万円、当期利益は21億円。売上高は再び200億円を超える見通しとしている。プロデュース作品が増加することを織り込んだ。ライツ事業でも主軸であるガンダムシリーズは国内が堅調に推移し、さらに海外での拡大を見込む。

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