セルタッチのCGアニメで異彩を放つ日本の神風動画の『COCOLORS』が、カナダのファンタジア国際映画祭で短編アニメーション部門の最優秀賞にあたる今敏賞(The Satoshi Kon Award for Excellence in Animation)を受賞した。国内での高い評価が海を越えて広がった。
ファンタジア国際映画祭は今年で21回目を迎えるジャンル映画の映画祭で、SF、ホラー、ファンタジー、サスペンス、アニメーションなどで世界各国から傑作、話題作が集まる。モントリオールを会場に、今年は7月13日から8月2日まで開催された。『COCOLORS』はここで、初の海外上映を行った。
アワードは最終日の8月2日、現地の授賞式に発表された。受賞理由として、アニメーション、デザイン、ストーリー、声、背景、サウンドの全てが卓越しているとされた。
日本からは長編アニメーション部門の審査員特別賞に、YAMIKEN監督のストップモーションによるSF映画『JUNK HEAD』も受賞している。また長編部門の最優秀賞は中国のリウ・ジエン監督の『HAVE A NICE DAY』だった。
『COCOLORS』は、これまで短編アニメーションやPV、CM、ゲームムービーなど多彩な表現で脚光を浴びてきた神風動画がオリジナルプロジェクトとして手がけた。今回は短編部門での受賞となったが、45分とたっぷりとした長さで、これまで以上に映像と演出、ストーリーを際立ったものとした。
スタジオが得意とするCGを使った2Dタッチの映像は、日本の伝統である木版画や浮世絵の影響を感じさせる独特のものになっている。それが色をテーマにした物語と絡み合う。
日本でも徳島、そして東京でのライブ演奏と重ね合わせた公演と、まだまだ上映の機会は限られていた。今後は、本作のさらなる上映を期待する声が高まるに違いない。
『COCOLORS』公式サイト
http://gasolinemask.com/nishiki/cocolors.html