「アベンジャーズ」日本オリジナルTVアニメ ディズニーが新展開、Dlifeで放送

『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』

 派手なアクションと個性たっぷりなキャラクターで、アメコミ発のヒーローたちの活躍の場がますます広がっている。ハリウッドで生まれる超大作映画はもちろん、テレビドラマシリーズや配信ドラマ、アニメーションシリーズなど様々だ。
 そうしたなかで、日本のファンにうれしい新作ニュースが発表された。ウォルト・ディズニー・ジャパンは、ヒーローチーム「アベンジャーズ」の活躍を描く日本オリジナルの新作テレビアニメ『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』の製作を明らかにした。

 マーベル・ヒーローたちを主人公にするテレビアニメシリーズは、2014年から2015年に東映アニメーションが制作した『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』以来となる。今回の制作スタジオやスタッフは未公表だが、マーベルがキャラクター原案・監修を行う。
 作中では超人的な能力を持つ少年たちが、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ハルク、ソーといったマーベル作品でお馴染みのヒーローたちに弟子入りし共に戦う。その中で少年たちの成長を描く、子どもたちに親しみやすいオリジナルストーリーとなる。
 放送時期は2017年の夏から、放送局はBSチャンネルDlifeが決定している。2012年にスタートしたDlifeはブロードキャスト・サテライト・ディズニーが運営をしており、無料で全国にディズニーの人気タイトルを中心に放送している。

 これまでディズニーは日本でオリジナルアニメを製作する際は、首都圏キー局を中心に全国放送することが多かった。しかし、今回はグループ会社のDlifeが中心となる。Dlifeの日本での認知度が高まってきたこと、一局の放送で全国をカバー出来ること、そして放送枠を確保するコストの低減などの理由が考えられる。
 同時に映像配信プラットフォームの成長などにより、映像ウィンドウとしての競争が高まっていることも理由にありそうだ。先日は国内アニメチャンネル1位のアニマックスと2位のキッズステーションが経営統合を発表、オリジナルアニメ製作にも意欲を見せている。『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』は、ディズニーグループのトップブランドを活用したDlifeのオリジナル番組ともなる。
 作品は日本だけでなく、世界展開も視野に入れている。こうした点はNetflixといった外資系配信会社の日本オリジナルアニメの戦略とも重なる。 

 もちろん『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』は、マーベル・ヒーローのブランド強化にも大きな役割を果たす。かつては、アメコミ原作の映画やテレビドラマは一部の有力キャラクターを除くと、日本では米国などの海外市場に較べると弱いとされてきた。
 しかし、近年はアメコミ映画の動員は、新しいヒーローでも広がりをみせるようになっている。視聴ターゲットが子どもが中心になるテレビアニメは、次世代を中心にヒーローたちを馴染み深いものにさせる効果も期待できる。
 テレビ放送に先駆けてマンガ雑誌「別冊コロコロコミックスペシャル」(小学館)で、4月から水野輝昭によるマンガ連載も開始する。ここからも子どもたちにより親しんでもらうという方針が見える。

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