
エンタメ大手のKADOKAWAが北米での紙書籍の店舗販売拡大を目指した新会社「KADOKAWA Retail Ventures」(KRV)を2026年2月付で設立した。本社はニューヨークに置かれ、北米翻訳出版のグループ会社Yen Pressのプレジデントも務めるカート・ハスラー氏が社長に就任した。ハスラー氏は00年代より、日本マンガの翻訳出版で大きな実績を築いてきたことで知られる。
新会社は北米事業統括会社であるKADOKAWA WORLD ENTERTAINMENTから事業の一部の移管を受ける。現地で書籍・グッズを販売をする「Manga Spot」を運営する。
「Manga Spot」は2023年10月にニューヨークに1号店を出店したグループの書籍・グッズ販売直営店だ。マンガ・ラノベ書籍の販売だけでなく、サイン会やアニメと連動したファンイベントなども実施する。地域のアニメ・マンガファンのカルチャーハブとなっている。現在はニューヨークのほかシカゴ、シアトルなど北米に10店舗を持つ。
新会社は「Manga Spot」を軸とした北米における店舗ネットワークの拡大を目指す。またグループの出版・関連商品事業との連携を強化をする。
近年の世界的な日本アニメの人気もあり、北米では原作となることが多い日本の翻訳マンガやライトノベルなどの紙書籍市場が急拡大している。KADOKAWAでも現地子会社を通じた北米の翻訳版紙書籍は好調だ。
こうしたなかでKADOKAWAは事業の拡大を掲げて、北米・アジア・ヨーロッパの広い地域で出版・翻訳出版などの現地子会社設立や提携を多く仕掛けている。ファンのニーズの大きな翻訳出版の体制は整いつつある。
一方で、そうしたファンが紙書籍を直接手に取る実店舗が不足している地域が多い。北米でも翻訳マンガ・書籍を取り扱いは大手書籍チェーンや日系書店に集中しがちだ。そこで出版事業に続き、現地流通事業に自ら乗り出し、実店舗を増やすことで、販売をさらに拡大しようとの狙いがありそうだ。










