コミックス・ウェーブ新社長に徳永智広氏 川口氏は会長へ アニメ美術の美峰に出資、資本提携も


 『君の名は。』や『すずめの戸締まり』など新海誠監督のアニメ映画でお馴染みのコミックス・ウェーブ・フィルム(CWF)が、代表取締役社長交代する。2024年5月31日に公式サイトで発表、常務取締役の徳永智広氏が代表取締役社長に昇任する。現代表取締役社長の川口典孝氏は、代表取締役会長に異動する。
 新しい経営陣は、代表取締役会長・川口典孝、代表取締役社長・徳永智広、常務取締役・角南一城、執行役員・玄沙愛の体制になる。30代でスタジオのトップになる徳永氏の手腕が期待される。

 新社長の徳永氏は、2014年にテレコム・アニメーションフィルムに入社、2017年からは制作部長を務めた。2020年にコミックス・ウェーブ・フィルムに転籍し、制作部長としてアニメーション制作を統括してきた。現場での経験が長い。

 コミックス・ウェーブ・フィルムは、2007年にコミックス・ウェーブ(旧CW)のアニメ事業部門を当時取締役の川口氏が分割、買収するMBOのかたちで設立された。アニメーション制作だけでなく、企画、資金調達、流通、配給、ライツマネジメントまで自社で取り扱えるのが特徴だ。創業以来、川口氏が代表取締役社長を務めてきた。今回が初の社長交代だ。
 CWFはインディーズクリエイターの作品に強みを発揮している。スタート当初より新海誠作品を主要タイトルとしており、直近の『すずめの戸締まり』まで作品を制作・出資している。2016年の『君の名は。』の大ヒットで一躍名をあげた。

 CWFは社長交代と同時に、もうひとつ大きな発表をしている。アニメ美術背景の老舗である美峰との資本提携である。美峰が第三者割当を実施、CWFがこれを引き受けた。美峰は資本増強をする一方で、同社の経営改善を進める。
 美峰に所属する野村正信氏が新社長に、吉原俊一郎氏が新副社長に就任する。前社長の平城 徳浩氏は取締役ファウンダーとして経営を支える。またCWF代表取締役会長の川口典孝氏が非常勤取締役として経営参画する。

 美峰は1993年に設立、30年以上にわたりハイクオリティーな背景美術で日本のアニメを支えてきた。アニメ業界では著名な老舗である。しかし近年のコロナウイルス禍や不安定なアニメーション制作スケジュールにより経営難に陥っていた。
 そこでCWFが資本注入をし、さらに次世代への事業承継も実現する目的で今回の資本提携と新たな経営体制に踏み切った。今後は背景美術の職人技術の継承と、クリエイティビティの開拓を目指す。
 CWFは美峰のほか、アニメ企画のSTORY、音響効果のノンスコア、韓国の配給会社Media Castleなどにも出資する。

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