エンタメ大手のKADOKAWAは東京・新宿で運営する映画館EJアニメシアター新宿を、2023年8月24日を最終営業日として閉館すると発表した。EJアニメシアター新宿は2006年に新宿ガーデンシネマとしてオープン、2008年に角川シネマ新宿の名称変更、さらに2018年からはEJアニメシアター新宿として運営されてきた。
現在は座席数300席のスクリーンとカフェ・ギャラリーを併設したスペースとなっている。「EJアニメシアター新宿」のリニューアルは、アニメの高い人気とアニメ作品の配給が多いグループでのシナジー効果を期待するものであった。アニメ作品を中心にしたイベントと組み合わせた興行や国内でも珍しい常設のアニメ専門館として支持を集めてきた。
しかし事業の採算性の課題が、閉館につながったようだ。KADOKAWAは現在、成長性と収益性の観点から事業ポートフォリオの最適な構築を目指している。その中でEJアニメシアター新宿の事業は、当初想定した進捗に達していないとする。そのうえで将来的にも収益確保は困難であると判断し、閉館を決定した。
KADOKAWAは今年5月には、埼玉県所沢市の複合施設「ところざわサクラタウン」内のEJアニメホテルホテルも閉館、ホテル運営事業から撤退している。「ところざわサクラタウン」の目玉施設のひとつではあったが収益が十分でないとされた。事業再構築には例外ないとの強い姿勢が伺われる。
KADOKAWAの映画興行は、もともと日本ヘラルド映画から引き継いだシネプレックスの興行チェーンが主力であった。しかし2013年に角川シネマ新宿(当時)と角川シネマ有楽町の2館を残し、ほとんどをユナイテッド・エンターテインメント・ホールディングスに売却している。映画興行事業からほぼ撤退したかたちだ。今回EJアニメシアター新宿を閉館することで、今後は角川シネマ有楽町だけが残ることになる。
EJアニメシアター新宿
http://ej-anime-t.jp/shinjuku/