独占配信「PLUTO」、新たに「大奥」「ヤキトリ」も NetflixのAnimeJapan2023ステージ

NetflixのAnimeJapan2023

 Netflixが日本初のオリジナルアニメタイトルの配信開始をして、すでに5年あまり。日本アニメ業界ではすでにお馴染みの顔ぶれになっている。
 年に一度、東京ビッグサイトで開催されるアニメの祭典「AnimeJapan」でも、毎年大きな企業ブースを出展、ステージイベントも行われる。2023年は3月25日と26日に開催される「AnimeJapan 2023」では、初日25日に、会場内BLUE STAGEでネトフリアニメ スペシャルステージが実施された。ここでNetflixが注力する最新作の情報が相次いで発表された。

 まずは今回が制作発表となったのが、よしながふみの人気マンガ『大奥』のシリーズアニメになる。実写ドラマが話題を呼んだばかりだが、監督に『BLEACH』や『アルスラーン戦記』の阿部記之を迎え、音楽に川井憲次を迎えるなど話題性もたっぷりだ。企画・製作はNetflixで、2023年夏から独占配信を予定する。
 そしてもうひとつは、『幼女戦記』などで人気のカルロ・ゼンのSF戦争小説『ヤキトリ』だ。監督は安保英樹、脚本に堺三保、キャラクターデザインに山形厚史を採用した。アニメーション制作は北海道に拠点を持つCGスタジオもアレクト、さらに音楽を日本を代表するテクノミュージック大物のケン・イシイが担当する。異色の起用も話題を呼びそうだ。

大奥

ヤキトリ

 Netflixは自社ブースでも自社関連作品に関係するトークを実施しているが、メインステージでのイベントは、特別なものである。同社が今後、特に注力するタイトルと言っていいだろう。
 2023年のステージを飾ったのは、『PLUTO』である。手塚治虫の『鉄腕アトム』の一篇「地上最大のロボット」をベースにマンガ家・浦沢直樹の作画でリブートさせた傑作である。2月の制作決定発表が大きな話題を呼んだが、「AnimeJapan 2023」では新たに浦沢直樹、手塚眞、声優でアトム役の日笠陽子、ウラン役の鈴木みのりらを迎えてあらためてトークステージで、配信に向けて『PLUTO』を盛り上げた。

 本作の生みの親とも言える浦沢は、この企画は随分前からあったが、内緒であったため言いたくても黙っていたのだという。「やっと言える」と安堵と喜びを含んだ感慨深い挨拶となった。
 そして『PLUTO』の原案である「地上最大のロボット」については、5歳の時から惹かれていた作品だと明かした。そのうえで全マンガのなかで中央に鎮座する作品、そして得体の知れない切なさのある作品と評する。 さらに現在も戦争が続くなかで、60年前に提示した物語が現在も有効であると指摘。これこそが5歳の時の自分が感じた切なさなのでないかとした。アニメ化と合わせて、手塚作品への深い愛を明らかにした。
 また浦沢自身が描き下したキービジュアルも公開され、会場から大きな拍手を浴びていた。最後は登壇者全員によるフォトセッションとなり、ステージの幕を閉じた。Netflixのキラータイトルとして、アニメ『PLUTO』は2023年に引き続き大きな関心を浴びそうだ。

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