
『グレンダイザーU』や『ババンババンバンバンパイア』などの制作をするアニメーション制作会社のガイナが、木下グループを離れる。木下グループはガイナの全株式を新興ベンチャー企業のCreator’s Xに譲渡したことを明らかにした。今後はCreator’s Xのグループ会社として活動していくことになる。株式譲渡の詳細は明らかにされていない。
また親会社の異動にともないガイナは、2025年8月1日付で社名を株式会社BENTEN Filmに変更した。社名は芸術や知恵を司る女神・吉祥寺弁財天に由来するという。代表取締役社長は浅尾芳宣氏が引き続き担う。また本社・スタジオの所在地も東京都武蔵野市吉祥寺本町から変更はない。
株式会社ガイナはガイナックス出身の浅尾芳宣氏が2014年に福島県に設立した株式会社福島ガイナックスがスタートだ。2018年に総合生活産業を掲げる木下グループが全株式を取得、その後事業再編を経てアニメーション制作会社ガイナが誕生、東京都内に本社を移した。スタジオガイナのブランドで『ピアノの森』 や『グレンダイザーU』 などのアニメーション制作をしている。また『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の続編にあたる『蒼きウル』や『トップをねらえ3』(仮)などの企画構想を明らかにしている。
当初は社名にガイナックスの名前を冠していたが、制作などでガイナックスと協力関係はあったが資本関係はない。80年代に設立されたガイナックスは『王立宇宙軍 オネアミスの翼』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『ふしぎの海のナディア』、『トップをねらえ!』などヒット作を多く制作したが、2024年に破産手続きを行って事業を停止している。
新たな親会社となるCreator’s Xは2024年4月に設立されたばかりのベンチャー企業で、AIを活用した新しいアニメーション制作を掲げている。AIツールを活用することで、これまでより効率的なアニメーション制作が可能になるとする。
2024年12月に遊技機を中心としたアニメーション制作のK&Kデザインを子会社化していた。同時期にXTech Venturesと寺田倉庫を引受先とした第三者割当増資を実施し、1億1000万円を資金調達した。調達資金はM&AやAIツール開発などに充てるとしていた。