11月18日から20日まで、マレーシアの首都であるクアラルンプールにて、「マンガフェスティバル in マレーシア」が開催された。日本マンガの海外に向けたカルチャー発信とビジネ活性化を目指し、毎年アジアの主要都市をひとつ選び開催している。
2012年に中国・北京でスタート、2013年はシンガポール、2014年はインドネシア・ジャカルタで行われた。昨年はタイのバンコクで実施、期間中は各イベントに3万6000人以上もが集まった。5年目になる今年は東南アジアのなかでも発展が著しいマレーシアを開催地に選んだ。
マンガフェスティバルは日本のコンテンツ産業の海外発信と展開を目指すコフェスタのオフシャルイベントのひとつになっている。コフェスタは東京国際映画祭、Japan Content Showcase、東京ゲームショウ、AnimeJapanなどから構成されるが、このなかでマンガ分野をカバーする総合イベントの役割を持っている。コフェスタの他のイベントと大きく異なるのは、マンガフェスティバルのみが海外で行われていることである。インバウンドでなく、日本から直接海外に赴くというわけだ。
イベント企画と運営は、国内マンガ出版の主要15社(秋田書店、宙出版、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、少年画報社、新潮社、スクウェア・エニックス、竹書房、日本文芸社、白泉社、双葉社、芳文社、リイド社)から構成されるコミック出版社の会が主体となっている。いわば国内のマンガ出版業界が手を組んだ海外展開事業である。
それだけにイベト内容も豪華だ。クアランプール市内中心部のISETAN KLCCに設けられた会場には、多数のマンガの原画が展示され、マンガを原作にしたアニメやキャラクターの紹介をした。
さらに19日には、日本から『ダンジョン飯』の九井諒子、『ああっ女神さまっ』の藤島康介、『ショコラの魔法』のみづほ梨乃、『ニセコイ』の古味直志ら4人の作家が現地を訪れサイン会を開催した。さらに『NARUTO』のライブステージやJ-POPアーティストのライブも同時期に行われ、日本のポップカルチャーへの関心を高めた。
ファン向けだけでなく、ビジネス向けの企画を用意するも「マンガフェスティバル in マレーシア」の特徴である。18日には、「マンガフェスティバル in マレーシア」実行委員会と経済産業省が主催するビジネスセミナー、シンポジウム、マッチングが行われた。
セミナー・シンポジウムではマレーシアのマンガ市場や海賊版対策、マンガからの商品化がテーマとなった。また日本企業が現地に赴き、現地企業とビジネスミーティングを行った。