サウジアラビアの大手メディア企業サウジ・リサーチ&メディアグループは、2021年12月20日にアラビア語圏では初となる地域に根差した若者向けのマンガ雑誌「マンガ・アラビア・ユース(Manga Arabia Youth)」を創刊した。雑誌は15歳以上をターゲットと定めており、ハイティーンより上のヤングアダルトの読者層を開拓する。現地では創刊記念イベントとして「マンガグラスハウス」を設け、ワークショップや講演、イラストコーナー、マンガカフェなどのプログラムも実施している。
掲載作品は、日本マンガのアラビア翻訳版と地元サウジアラビアとアラビアのオリジナルコンテンツ。作品は全て国際基準を遵守した制作とし、合法性、安全性、信頼性を確保した。
雑誌は紙版とデジタル版のふたつのメディアで展開し、デジタル版は「マンガ・アラビア・ユース」モバイルアプリが用意され無料で閲覧できる。ビジネスというよりも、サウジアラビアとアラビア文化圏におけるマンガ産業と文化の育成の狙いが強そうだ。
創刊に先立ってサウジ・リサーチ&メディアグループは、小学館、集英社、KADOKAWA、講談社と翻訳出版のライセンス契約を結んでいる。これにより創刊号には『亜人』、『ヴィンランド・サガ』、『約束のネバーランド』、『ハイキュー』、『進撃の巨人』などが掲載されている。
地元のアラビア語オリジナル作品は、『Long live the dead』、『Wanderers』など。勇気や友情、協調性といった価値観、本当の自分を見つけることの大切さがテーマだ。
サウジ・リサーチ&メディアグループは、「マンガ・アラビア・ユース」に先立って創刊した子供向け雑誌ですでに成功を収めているとしている。今後はアラブのクリエイティブ・コンテンツ産業を強化することで、未来につなげたいとする。
サウジ・リサーチ&メディアグループ
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