『ユーリ!!!on ICE』から『ゾンビランドサガ』、『BANANA FISH』、『この世界の片隅に』まで。アニメスタジオのMAPPAは設立8年ながら、幅広いジャンルで次々にヒット作を創り出す注目の存在だ。
しかしMAPPAの積極的な活動は、アニメーション制作だけでない。自らの手でMAPPAブランドの企画展を開催し作品をファンの手に届けるなど、新たなスタジオの在り方を目指している。その最新の動きが海外となりそうだ。
MAPPAは7月3日から7日まで、米国ロサンゼルスで開催される北米最大の日本アニメイベント「Anime Expo 2019」に参加。3日間連続で大型イベントを実施する。最新作、そしてMAPPAブランドを米国のアニメファンにアピールする。
現地には代表取締役社長の大塚学をはじめとするプロデューサー、『ゾンビランドサガ』の境宗久監督、同作で紺野純子役を演じる声優・河瀬茉希、さらに7月新番組『かつて神だった獣たちへ』のスタッフなどが訪れる。
まず7月4日の午前中に開催されるのが、「MAPPA SHOW」だ。スタジオMAPPAにフォーカスした『ゾンビランドサガ』、『かつて神だった獣たちへ』のパネルトークショーを中心に、MAPPA 発の新商品発表もする。会場は3300名を収容するメインイベントホールBを予定している。人気の高い作品への期待が現れている。
翌5日は、『ゾンビランドサガ』のステージイベントと『かつて神だった獣たちへ』の先行上映会になる。こちらは「Crunchyroll x MAPPA Presents」とタイトルしており、アニメ配信プラットフォームのクランチロールも協力するものだ。会場は900席でJW マリオットホテルのダイヤモンドボールルーム。よりアットホームに、ファンからのQAコーナーも設ける。
そして今回とりわけ注目したいのが、6日12時半から14時までの「BlockPunk × MAPPA トークショー」である。会場は2000名収容のPetree ホール、大箱に戻る。ここではMAPPAとIT・コンテンツベンチャーのブロックパンク (BlockPunk)が、最新のテクノロジーを用いた新しいサービスを発表する予定だ。
ブロックパンクは長年日本アニメのビジネスに関わってきたベテランであるジュリアン・ライハンらが中心になって2018年に設立された。情報の改ざんが難しく、作品や情報のオリジナリティを保証するブロックチェーンの技術を活用したビジネスを開発している。
今回MAPPAとブロックパンクは、この技術を利用するアニメ配信や商品販売の新たなプラットフォームを開始する。またこれを使ったMAPPA作品のアートワークやタイトル商品も明らかになる。海賊版対策にも威力を発揮すると言われるブロックチェーン技術だけに、具体的にどのような取り組みになるのかアニメ業界から広く関心を集めそうだ。