東京・杉並区に本社を持つアニメ制作会社MAPPAが、宮城県仙台市にアニメーション制作スタジオを設立する。2017年6月1日に、仙台市役所にて、奥山恵美子・仙台市長や大塚学・MAPPA代表取締役社長らが明らかにした。2018年春に開設する予定だ。
またスタジオ開設に向けて同社では、2018年新卒の動画マン(アニメーター)、仕上げの募集を開始した。いずれも募集は若干名として、勤務地は仙台市となる。MAPPAは合わせて、東京本社でも2018年新卒の制作進行職、CGI部の撮影、3DCGクリエイター、仕上げ、背景マンの採用告知をだしている。
MAPPAが、杉並以外にスタジオを設けるのはこれが初。2018年4月以降は、東京と仙台の2拠点体制になる。
MAPPAは2011年に、現在会長の丸山正雄氏により設立された。丸山氏は仙台市出身で、虫プロを経て、マッドハウスの設立に参加した。いまは老舗の同社で長年、プロデューサー、経営者として数々の傑作を世に送り出してきた。
クリエイティブと映像のクオリティの高さは、MAPPAにも引き継がれている。2016年秋に公開し大きなムーブメントになった劇場映画『この世界の片隅に』、フィギュアスケートをテーマにした『ユーリ!!! On ICE』などの話題作を次々に生み出している。
一方、宮城県は地域産業の活性のためアニメ産業の誘致に積極的だ。豊かな自然と環境の良さも魅力になり、都内アニメスタジオがサテライトスタジオを置くケースが増えている。
2009年に旭プロダクションが白石市に白石スタジオをオープン、CGアニメ制作のサブリメイションもこの4月に仙台市青葉区にスタジオを新設した。アニメ制作のデジタル化が進んだことにより、現在、アニメスタジオの地方進出が注目されるようになっている。宮城・仙台はそうしたなかで、立地が検討される有力な地域としてこれからも関心を集めそうだ。