仏大手TV局CANAL+グループ、東南アジア配信大手「Viu」の26.1%取得

提携

 東南アジア地域の映像配信プラットフォームサービスを巡って、2023年6月21日に大きな発表があった。フランスの大手テレビ局CANAL+グループが東南アジアの映像配信プラットフォーム大手「Viu」に大型投資すると発表した。
 CANAL+はViuの株式26.1%を2億ドル(約280億円)で取得した。さらに今後3億ドル(420億円)の追加投資で出資比率を51%に引き上げる権利も保有する。
CANAL+はフランスに本社を持ち多数のチャンネルを持つ民間放送局である。ヨーロッパではその存在は絶大だ。今回の取引で一挙に配信とグローバル事業へのリーチを拡大する。 

 一方のViuは香港に本社を持つITコングロマリットPCCWが運営しており、香港、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピンなどの東南アジア、湾岸諸国やエジプトなどの中東、さらに南アフリカなど16か国で展開している。韓国ドラマがキラーコンテンツで、日本アニメの配信も多く、『名探偵コナン』、『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』、『僕のヒーローアカデミア』、『ハイキュー!!』など人気作品を多く揃えている。
 月間アクティブユーザーは6600万人以上、1200万人の有料会員がいる。東南アジア地域ではトップシェアを争っている。また2022年は売上高が2億5000万ルを超え、前年比36%の成長を記録した。競争の激しい映像配信プラットフォームで黒字化に成功したとされている。

 今回、CANAL+グループとPCCWは併せて、Viuの事業成長における戦略的パートナーシップの締結を発表した。両者の強みを活かすことになるが、アジアとヨーロッパの補完関係が発揮できるのか、地域でAmazon プライムビデオやNetflixといった米国系企業にいかに対抗するのかも注目される。

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