東宝が3年間で成長投資に1100億円、コンテンツ関連で500億円

ファイナンス決算

 2022年4月12日に発表した「中期経営計画 2025」によれば、映画大手の東宝は2025年までの3年で事業成長に向けて1100億円程度の投資を実施する。
 投資の内訳はコンテンツ関連が500億円、不動産関連が500億円。さらに新規のシネコン出店と海外展開・DX関連に各50億円ずつとしている。大型M&Aへの投資はこれとは別枠としており、積極投資の3年間になりそうだ。

 東宝は1932年に設立、今年で創業90年を迎える。そこで2032年の創立100周年に向けて「長期ビジョン 2032」とる「中期経営計画 2025」とから成る「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」を策定した。
 いずれも成長に向けた積極的な投資を掲げている。事業分野では「アニメ」を挙げたほか、成長を支えるための「人材」、コンテンツの核となる「企画・IP」、さらに「デジタル」「海外」などの言葉が並ぶ。
 コンテンツ関連投資には、映画、アニメ、演劇、さらに新規IP創出や人材獲得などが含まれる。不動産開発は保有物件の再開発、さらに新規の取得・開発も推進するとしている。現在は旧東宝ツインタワービルを再開発する東宝日比谷プロムナードビルを建設中、旧渋谷東宝ビル地区も含む渋谷二丁目17地区市街地再開発事業にも参加する。シネコンの新規出店も継続する方向で、映画の製作だけでなく、興行でのパワーアップも狙う。

 積極的な投資の一方で、数値目標も手を緩めない。売上高の目標は設定されていないが、期間中に過去最高益の528億円の更新を目指す。さらにROEは8%以上、配当性向は30%以上が指標だ。

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