アニメ企画・制作の大手サンライズが、作品やキャラクターの知的財産(IP)開発にさらに力をいれている。その手段のひとつが、企業投資(M&A)になっているようだ。
バンダイナムコホールディングスは2019年11月1日、グループ会社のサンライズがITベンチャーのエコーズ株式会社に資本参加したことを発表した。2019年10月31日でエコーズに出資した。出資金額や株式の保有割合は明らかにされていない。
エコーズは2012年4月に、マンガ関連のベンチャー企業として設立された。主要事業はマンガ投稿プラットフォームト「マンガハック」の運営で、この分野で国内有数の規模を誇る。2018年12月には、サンライズの人気作品を題材にした創作コンテスト「サンライズ矢立文庫大賞」をサンライズと共に実施している。
マンガハックのほか、電子取次サービス「マンガハックPerry」、出版事業の「マンガハックPublishing」、インタビューサイト「クリエイターズVOICE」なども手がける。新しいビジネスの仕組みづくり、ファンとのコミュニケーションなどIT企業ならの強みを持っており、こうしたなかでサンライズはより密に協力をしたいと今回に出資につながったとみられる。
サンライズは、現在、アニメやキャラクター、ゲームの源泉となるオリジナルのIP創出企業をかかげている。そのために原作開発、IPの認知度を上げるアニメの制作力の増強を目指している。さらに事業拡大にM&Aを積極的に活用する。
2019年4月にはジーベックのアニメーション制作事業を買収し、新会社株式会社SUNRISE BEYONDした。2018年9月にはCGアニメーションスタジオのサブリメイションにも出資している。様々なかたちで事業拡大の可能性を探る。
またバンダイナムコグループ巨大なエンタテイメント会社だが、長年、出版・マンガ事業は弱い。たびたび新規事業で手がけたが大きな成果を残せていない。今回の資本参加には、外部のベンチャー企業と手を組むことでこれを埋めようとの狙いもありそうだ。