東宝 第2四半期は減収減益 アニメ製作事業の落ちこみ大きい

ファイナンス決算

 映画大手の東宝は10月12日に、2019年2月期の第2四半期決算を発表した。興行収入90億円超えの『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』といった大型作品はあったが、第1四半期に引き続き、減収減益となった。
 前年同期は映画事業で『シン・ゴジラ』『君の名は。』のパッケージ販売が大ヒットになったが、その反動が大きいためである。通期連結決算も、小幅減収の減益を見込んでいる。

 映画事業の売上高は895億9500万円(8.6%減)、営業利益は169億8900万円(28.4%減)である。このうち製作・配給の映画映像事業が売上高294億7600万円(2.6%減)、営業利益は62億4700万円(28.8%減)。『名探偵コナンゼロの執行人』『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』『ポケットモンスターみんなの物語』『未来のミライ』が主力だった。
 映画興行は前年並みの447億8400万円(0.8%減)だった。こちらは他社グループの『インクレディブル・ファミリー』(ウォルト・ディズニー)や『万引き家族』(GAGA)のヒットも貢献している。
 映像事業は32.2%減の153億3400万円、こちらは先の『シン・ゴジラ』『君の名は。』の反動が大きい。製作では『名探偵コナンゼロの執行人』の製作出資、パッケージでは『舞台「刀剣乱舞」ジョ伝三つら星刀語り』が大きなヒットとなった。

 一方、映像事業のうちアニメ製作事業は売上高45億9900万円、これまで成長を続けてきた部門だが17.6%減と厳しい数字だ。期間中は『名探偵コナンゼロの執行人』『GODZILLA 決戦機動増殖都市』、それにテレビアニメの『僕のヒーローアカデミア』を手がけた。
 ODS事業も5億6900万円(37.5%減)と減収幅が大きかった。主力作品となったのは『ペンギン・ハイウェイ』である。

 また東宝は第2四半期までの、主要作品の興行収入を明かしている。アニメでは『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』が前年に続き30億円に到達、『未来のミライ』も2018年9月末の時点で28億2000万円。テレビシリーズから今回初の劇場版となった『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』は15.9億円と好調だった。『僕のヒーローアカデミア』は10月以降に16億円越えが発表されている。
 洋画を配給する東宝東和にも大きなヒット作があった。『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が80億6000万円、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は46億7000万円だ。

 このほか演劇事業は売上高83億1200万円(11.6%増)、営業利益は12億7100万円(22.0%減)の減収減益。帝国劇場のリニューアル費用の計上が影響した。
 不動産事業の売上高は327億8800万円(3.1%増)、営業利益は87億1900万円(0.8%増)。日比谷シャンテ、東宝スタジオなどの稼働が堅調であった。

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