かねてより経営統合を明らかににしていたAOI Pro.とティー・ワイ・オー(TYO)が、2017年1月4日に両社の親会社となるAOI TYO Holdings(AOI TYO HD)を設立した。本社は新たに東京都港区白金一丁目27-6に置かれる。
資本金は50億円、AOI Pro.とティー・ワイ・オーを傘下に置き、広告関連の映像事業を手掛ける。TYOは、アニメ「ゆるゆり」シリーズや「たまゆら」シリーズで知られるTYOアニメーションズを子会社にしている。また、こま撮りアニメーションのドワーフも事業部門としている。これらも統合会社の事業のひとつになる。
AOI TYO HDの代表取締役には、吉田博昭氏と中江康人氏のふたりが就く。AOI Pro.とTYOの代表取締役が共同で経営を執る。また専務取締役はAOI Pro.の専務取締役の譲原理氏、常務取締役にはTYO代表取締役副社長の上窪弘晃氏と、人事面で両社のバランスを取っている。
AOI Pro.の前期の連結売上高は約320億円、TYO は約298億円である。合算するとほぼ620億円近くになる。単純な計算では、広告映像分野の業界第1位である東北新社の599億円を超える。これまでは東北新社が一歩抜き出た3強体制だったが、力が拮抗する2強体制に業界構造が変わる。
また同社は1月4日に「AOI TYO Holdings 戦略 ‐VISION2021‐」を発表した。“感動創出企業”を掲げ、国内では広告映像制作の安定成長を目指す。またVRやAR、IoT、AIといった体験設計の制作を拡大する。
海外事業の拡大も基本方針のひとつである。まず中国・北京でポスプロ事業を立ち上げ、制作拠点も新設する。タイとインドネシアでは、M&Aを活用した事業展開を挙げている。アジアを中心に、積極投資する構えだ。