東宝はアニメーション映画製作・制作のコミックス・ウェーブ・フィルムの株式の6.09%を取得した。2024年10月15日、第2四半期決算のタイミングに合わせて発表された。
コミックス・ウェーブ・フィルムは、2007 年にコミックス・ウェーブからスピンオフするかたちで現在代表取締役会長の川口典孝氏が設立した。オリジナル作品の製作を重視しており、長年『君の名は。』、『すずめの戸締まり』など新海誠作品の制作・プロデュースで知られる。今回の株式取得は川口典孝氏の申し出によるものとしており、取得金額は非公表。
コミックス・ウェーブ・フィルムが制作する新海誠の長編映画は、2016年の『君の名は。』以来、3作品連続で大きなヒットとなっている。東宝にとっても重要な作品だ。
今回の東宝のコミックス・ウェーブ・フィルムとへの出資比率は約6%にとどまるが、東宝は2013年の『言の葉の庭』以来、4作品続けて新海誠監督の映画の配給を手がけ、近作では共に製作委員会を組むなど関係は深い。株式保有をすることで今後も協力が継続していくと期待されるため、東宝にとってポジティブだ。
コミックス・ウェーブ・フィルムは設立から今年で17年となる。この6月には創業社長の川口典孝氏が代表取締役会長に異動、新たに徳永智広氏が代表取締役社長に就任している。次世代に向けた体制づくりを目指している。今回の株式一部譲渡も、そうした布石のひとつと見られる。