国内のビデオソフト市場が緩やかに減少するなかで、映像各社によるブルーレイ/DVDの発売事業の集約が加速している。
2024年5月13日、エンタテイメント商材流通などの大手ハピネットは、2024年10月1日からディズニーブランドの国内ブルーレイとDVDの製造・販売を開始すると発表した。ハピネットの子会社ハピネット・メディアマーケティングが、ウォルト・ディズニーの日本法人とホームエンターテイメントライセンス契約を締結した。
現在、ディズニーの国内映像ソフトは、ウォルト・ディズニー・ジャパンが製造・販売をしている。しかし今年(2024年)2月に、本国でウォルト・ディズニーは、映像ソフト事業から撤退を表明したばかりだ。米国・カナダでは映像パッケージ事業はソニーグループに移管される。
このため日本での同事業の行方が関心を集めていた。しかし北米で事業を受託するソニーグループは、日本では逆に3月にソニー・ピクチャーズが自社の映像パッケージ事業をハピネットに委託すると発表したばかりである。結局、ソニー・ピクチャーズに続きディズニーも、ハピネットに映像パッケージ事業を委ねることになる。
ハピネットは映像・音楽ソフト、ゲームソフト、玩具などの中間流通の国内大手として知られている。また、こうした流通ネットワークの強みも活かして、映画やドラマ、アニメーションなどの企画・製作、映像ソフトの企画、制作、販売などに広く進出している。映像分野においては、企画・製作から流通・販売までノンストップで扱うのが強みであり、特徴でもある。
ブルーレイとDVDの市場自体は縮小傾向が続くが、今後もある程度のボリュームは残る可能性が高い。ハピネットにはそのなかで取扱量を増やして効率化することで、利益が確保できるとの狙いがありそうだ。
ディズニーのタイトルには、ディズニーブランドやピクサーのアニメーション、マーベルブランドのアメコミ原作作品映画などヒット作が多い。こうしたラインナップが、ハピネットの商品に揃うことになりそうだ。日本のアニメ関連では、スタジオジブリの各作品の映像ソフトをディズニーが取り扱っている。今後は、こちらの動向も関心を集めそうだ。