世界3大映画祭のひとつザグレブ国際アニメーション映画祭(Animafest Zagreb)が、2023年6月5日から10日までクロアチアで開催される。4月24日に映画祭の長編コンペティション部門の公式作品が発表され、これで長編、短編、学生の全部門のコンペティションが出揃った。いずれの部門にも日本から話題作が選出されている。ワールドワイドな舞台での活躍が注目されそうだ。
最新の発表は、長編部門のコンペティション作品となった『アラーニェの虫籠』である。ホラーテーストが特徴の2Dで、日本らしい作品だ。過去に同じ坂本サク監督の『アラーニェの虫籠』も2019年にノミネートされており、2作品連続でのコンペインとなった。日本では2023年5月26日から劇場公開が始まるため、話題づくりにも一役買いそうだ。
長編部門のコンペ作品は他に5本。ピエール・フォルデ監督『めくらやなぎと眠る女』、ラトビアを舞台に女性の半生を語る『My Love Affair with Marriage』、中国の『No Changes Have Taken In Our Life』、日本でも公開が決まっているぐろめのファンタジー『ユニコーン・ウォーズ』、それにハンガリーとスロバキア合作のSF映画『White Plastic Sky』。映画祭の最終日6月10日に他のアワードと共にグランプリが発表される。
短編コンペティョン部門は、世界で高い評価を受けているふたりのアニメーション作家の最新作が並んだ。ひとつは和田淳監督の『いきものさん「カメの回」』、数々の国際アワードを重ねてきた和田監督が日本の大手制作会社東映アニメーションと手を組んだ話題のテレビシリーズからである。
『Our Pain』が上映される林俊作監督もスラムダンス映画祭アニメー ション部門の最高賞やベルリン国際映画祭入選の注目作家である。今回の作品もこれまでと同じく抽象度の高くなりそうだ。
学生部門にも2作品、いずれも多摩美術大学所属である。塚本莉菜さんの『Lovesome』と,キョガンさんの『Sewing Love』が選ばれた。
ザグレブ国際アニメーション映画祭(Animafest Zagreb)
http://www.animafest.hr/en/