日本映像ソフト協会がまとめた加盟ソフトメーカーによる2022年の出荷実績(年間売上統計)によれば、2022年の「日本のアニメ(一般向け)」のビデオソフト(DVD、ブルーレイ)の売上金額は256億3800万円だった。2021年から42.2%減と前年比で大幅な減少となった。
2021年は約100億円の売上げとなった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』や『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』などの大型ヒットがあり前年比で60%増と大きく伸びていた。しかし22年はそれに相応するヒットがなく、その反動減となったとみられる。20年との比較でも22年は減少となることから長期にわたる市場の縮小は歯止めがかかっていないと言えそうだ。
日本映像ソフト協会のジャンル区分では、「日本のアニメ(一般向け)」は10歳程度以上を対象にした国内制作のアニメとなっている。この売上げは深夜アニメを中心にアニメファン向けの作品群のビデオソフト購入動向と見ていいだろう。
このほかのアニメーションでは、9歳以下の子ども向けの国内作品「日本の子供向け(アニメーション)」が13億9600万円(31.8%減)、「海外のアニメーション(一般向け)」が8億7300万円(26.2%減)、海外の子供向け(アニメーション)が15億1800万円(56.5%増)となっている。アニメーション全体では294億4000万円と300億円の大台割れとなった。
こうした動向は、ビデオソフト市場全体の動向を反映したものだ。販売用のビデオソフト売上げは1027億6900万円と前年の1220億3700万円よりおよそ16%減少している。
「邦画」や「日本のTVドラマ」、「海外のTVドラマ」などが前年比でマイナスとなっている。しかし「洋画」は68億900万円から86億6500万円に、「邦楽」は436億7800万円から450億900万円に増えている。現在のビデオソフト市場は、「邦楽」に支えられていると言ってよさそうだ。