KADOKAWAグループの電子書籍事業「BOOK☆WALKER」が、国内だけでなく、海外でも急成長している。株式会社ブックウォーカーは先頃、2020年8月の英語圏向けの電子書籍ストア「BOOK☆WALKER Global」と台湾向けの「台湾 BOOK☆WALKER」など海外からの利用売上高が初めて1億円を超えたことを明らかにした。
日本発のマンガやライトノベルに対する海外からニーズが高まっていることに加えて、積極的なキャンペーンが効果を発揮した。Globalストア、台湾とも売上げは前年比で2倍になっている。
「BOOK☆WALKER」の海外事業は2015年の「BOOK☆WALKER Global ストア」がスタートになっている。海外のファンに正規の作品を早く、正しいかたちで伝える役割を果たしている。海外向けの電子書籍サイトは数多いが、マンガだけでなく、ライトノベルに積極的なのが特徴だ。現在は自社グループだけでなく、58出版社の約1万6000冊を取り扱っている。
2016 年には台湾に進出し、現地関連会社の台灣漫讀股份有限公司と共「台湾 BOOK☆WALKER ストア」を設立した。こちらは日本のライトノベルやマンガを中心に約8万8000冊を販売する。
スタート以来、これまでも事業は順調に成長してきた。しかし2020年の伸びは格別だ。第1四半期(4 月~6 月)のGlobalストアの売上は前年比110%増、台湾ストアは102%増だった。この期間は日本の売上も大きく伸びたが、それを上回った。
特にライトノベルの人気が高いという。英語圏、台湾とも売上げ上位はラノベノベルが並び、Globalストアでは、ラノベ 1 冊あたりの売上平均はマンガの 10 倍にもなるという。
Globalストアの国別ユーザーは、米国が1位、2 位がオーストラリア、さらにイギリス、カナダ、ドイツ、シンガポールが続く。人気作品は『本好きの下剋上』、『転生したらスライムだった件』など。
台湾でも『本好きの下剋上』、さらに『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』、『異世界迷宮でハーレムを』などが並ぶ。
KADOKAWAでは、海外でも書籍売上げにおける電子書籍の割合は年々上がっていると指摘する。今後もタイトル拡充と読者のニーズに基づいたサービスの提供で、ビジネス拡大を目指す。