国内有数のCG・デジタルのアニメーション会社であるポリゴン・ピクチュアズ(PPI)が、グローバルな制作体制の拡充を進める。PPIは2021年8月1日付で、新たにインドのターネ市に100%出資のCGスタジオであるPolygon Studios India Private Limited(ポリゴン・インディア)を設立した。
新会社はCG映像制作のなかでも、キャラクターや物体の3DCGモデルの動きの軸となるリグ工程に特化する。PPIのマレーシア拠点シルバー・アント-PPI Sdn Bhd出身のサンディープ・ベサリア氏がCEOを務める。またPPIの代表取締役である塩田周三氏、第1プロデュース部 部長のジャク・リヤン氏が役員に就任した。
PPIは新会社設立について、国際的に人材獲得競争が厳しいリグ工程のスタッフをインドにて実現するためとしている。これまでもPPIやシルバー・アント-PPIにはインド出身のスタッフが多く在籍していた。さらにインドには映像制作のパートナー企業も多い。人材確保と現地とのスムーズなコミュニケーションを実現する。
資本金は700万ルピー、日本円で約1040万円、全額PPIが出資する。拠点となるターネ市はインド最大の都市ムンバイ近郊で、ムンバイは金融やメディア、映画・エンタテイメントの中心都市として知られている。
PPIはCGとデシタルアニメーションで国内有数の規模を誇る。テレビシリーズや劇場映画で人気の『シドニアの騎士』や『亜人』といったシリーズのほか、海外とのコラボレーション作品が多いことも特徴になっている。『パシフィック・リム:暗黒の大陸』、「トランスフォーマー」シリーズ、『スター・ウォーズ レジスタンス』といった代表作がある。
制作体制もグローバルで、海外企業にも多くアウトソーシングをしてきた。2012年に現地企業と合弁で立ち上げたシルバー・アント-PPIは、マレーシアを代表するCGスタジオのひとつだ。今回はそのウィングをさらにインドに広げる。インドは世界第2位の人口を誇り、優秀な技術者を多く世界に輩出している。CG・アニメーション分野も同様で、北米や中国、ヨーロッパ、日本も含めて、インドは世界各国の映像制作の重要なパートナーとなっている。映画やテレビドラマなど自国の映像産業も盛んだ。
PPIは今後も日本のコンテンツ業界の将来を見据えながら、グローバルな事業展開を加速するとしている。制作のグローバル体制は、そうした一環となる。
ポリゴン・ピクチュアズ http://www.ppi.co.jp