アニメ映像・音楽の企画・製作・ソフト販売のバンダイナムコアーツの代表取締役社長が9年振りに交代する。2021年4月1日付で専務取締役の河野聡氏が昇格、現代表取締役社長の川城和実氏、また代表取締役副社長の井上俊次氏、非常勤取締役の松本起代子氏も退任する。
河野氏は大学卒業後、東京テアトルを経て1992年にバンダイに入社、94年にバンダイビジュアル(現バンダイナムコアーツ)に転籍した。アニメだけでなく「ウルトラマン」シリーズや実写映画のプロデュースも多く手がけている。
川城和実氏は2003年から2010年まで、そして2012年から現在まで通算で約14年間、バンダイナムコアーツとバンダイビジュアルの代表取締役社長を務めてきた。また副社長の井上俊次氏は、2018年にバンダイビジュアルを合併した音楽会社ランティスの創業者である。日本のアニメ音楽業界を代表する存在である。両氏の退任と52歳の河野氏の社長就任は、経営の大胆な若返りを狙ったものと言える。
2021年3月期も好調な業績が予想されるバンダイナムコホールディングスだが、バンダイナムコアーツが統括する映像音楽プロデュース事業は大幅減収減益と振るわない。新型コロナウイルスの感染拡大を受けたライブイベントの自粛や映像・音楽作品の制作スケジュールの遅れによる公開延期、パッケージソフトの発売延期が打撃となった。河野氏はこうした逆風下での出発となる。