バンダイナムコアーツとアニメ制作エイトビットが業務提携、コンテンツ創出で協力

(C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

 バンダイナムコアーツとアニメ制作会社エイトビットが業務提携した。2020年6月8日に両社より発表された。両社はこれまでも複数作品で連携してきたが、より踏み込んだ関係を築くことで新しいエンタテインメントの創出をする。
 業務提携では、アニメを中心に映像作品や関連コンテンツの創出に取り組む。提携後の初作品は、人気テレビアニメシリーズ『転生したらスライムだった件』の第2期、 そのスピンオフ作品『転生したらスライムだった件 転スラ日記』となる。

 エイトビットはこれらのアニメーション制作を担当している。『転生したらスライムだった件』第2期は当初2020年10月から、『転生したらスライムだった件 転スラ日記』は21年1月からの放送・配信を予定していた。
 しかし新型コロナウイルス感染症の拡大により制作スケジュールに影響がでたことから、『転生したらスライムだった件』第2期第1部は2021年1月スタートに延期されている。また『転生したらスライムだった件 転スラ日記』は2021年4月から開始、『転生したらスライムだった件』第2期第2部は2021年7月から放送・配信になる。

 バンダイナムコアーツはアニメ企画・製作・映像ソフトの大手で、バンダイナムコグループの映像・音楽部門の中核会社である。2018年にバンダイビジュアルとランティスの合併により誕生した。エイトビットとは『転生したらスライムだった件』のほか、『ナイツ&マジック』などで共に作品に取り組んできた。
 エイトビットはサテライト出身の葛西励氏らが2008年に設立した。『グリザイアの果実』、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』などのヒット作がある。

 両社は今回の提携について、新規作品創出のためのプロジェクト推進を掲げる。バンダイナムコアーツは、エイトビットの持つアニメーション制作のライン活用。エイトビットは、継続的にアニメーション制作する環境の構築を図る。またバンダイナムコアーツの持つビジネスノウハウやネットワークを活用することで事業拡大を目指す。
 具体的には両社のための専用のアニメーション制作ラインを複数構築する。また両社の若手プロデューサーによる新規作品創出プロジェクトを推進し、人材交流もする。

 現在アニメ業界では、現場スタッフの人手不足が深刻なことから、制作クオリティの高いアニメスタジオを確保することがますます難しくなっている。一部の会社は有力スタジオの子会社化、資本提携、業務提携を強めている。
 バンダイナムコアーツは、2017年に有力スタジオのアクタスを子会社化している。また他社ではブシロードがサンジゲンやキネマシトラスに出資、KADOKAWAもやはりキネマシトラスに出資するなど、様々なかたちのアニメスタジオとの連携が業界内に増えている。今回もそうした流れの一環と言ってよさそうだ。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る