Netflix国内300万契約数に「全裸監督」はアジアで大ヒット

NETFLIX HOUSE:TOKYO

 映像配信プラットフォームNetflixの日本の業績が、2015年の日本進出から丸4年で勢いを増してきた。2019年9月6日、都内で開催された同社の事業紹介イベント「NETFLIX HOUSE:TOKYO」でその一端が明らかにされた。
 この日、開催に先立って挨拶したプロダクト最高責任者のグレッグ・ピーターズ氏は、Netflixの米国外での契約数が大きな伸びを見せていると紹介。その中で日本の契約数がおよそ300万に達したと言及した。前年比では77%の高い伸びになる。

 Netflixの日本国内の契約数は長らく非公表とされており、概算でもその規模を明かすのは初めてだ。このタイミングでの公表は、Netflixが日本での事業進捗に自信を深めているためとみられる。
 契約数300万は、Netflixより4年早く日本進出したHulu(日本)の約200万を大きく上回る。またプレミア番組の放送チャンネルWOWOWの290万契約世帯をも上回る。今後さらに成長すれば、契約数400万台と見られる国内最大の定額課金有料映像配信サービスdTVも視野に入ってくる。(他サービスとの組み合わせでサービスを提供するAmazon プライムビデオを除く)。国内のライバルに比較優位を築きつつある。

 ここにきて契約数の伸びが勢いをつけている理由のひとつは、Netflixが売りにするオリジナル番組が視聴者を惹きつけていることだ。特に日本コンテンツ、日本制作の番組が、Netflixをより身近に感じさせている。
 2018年にはまず『DEVILMAN crybaby』、『アグレッシッブ烈子』などのオリジナルアニメが一挙に増加、日本発のNetflixオリジナルに火をつけた。この春には『ULTRAMAN』などもあり、ヒット作が続いている。さらに夏に日本のオリジナル実写ドラマ『全裸監督』がスタートした。これが多方面で話題を呼んだ。10月には園子温監督の『愛なき森で叫べ』も配信される。

 日本発のオリジナルタイトルは、日本だけでなく海外でも強い吸引力を持っている。グレッグ・ピーターズ氏は、『全裸監督』がNetflixで日本で一番見られている番組であるだけでなく、韓国、台湾、香港、シンガポール、ベトナム、タイといったアジア各国の視聴番組のトップ10に入る人気を獲得しているとした。アニメについても依然、番組の視聴者の90%以上は日本以外の地域、非常に力強い成長分野になっていると話す。
 こうした成果は、さらなる日本発のオリジナル番組の開拓につながりそうだ。Netflixは今後12ヶ月でさらに16作品の日本発オリジナルを配信する。今後はこうした数がさらに増えることも期待できるかもしれない。

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