サイバーエージェント「CAAnimation」がプロジェクト第1弾発表 アニメ・ゲーム・音楽が連動

「CAAnimation」プロジェクト第1弾

 2018年10月にアニメ本格進出を宣言、アニメ企画開発・プロデュースのビジネスブランド「CAAnimation」を発表していたサイバーエージェンの事業の一端が見えてきた。2019年6月7日、サイバーエージェントはCAAnimationのプロジェクト第1弾のビジネスパートナーを公表した。
 プロジェクトのタイトルは明らかにしていないが、アニメとゲーム、音楽と複数のエンタテインメントを軸とするメディアミックスプロジェクトになる。またサイバーエージェントの単独事業ではなく、各ジャンルの有力プレイヤーが手を組んだプロジェクト連合になっているのが特長である。

 主要なプレイヤーは5社、まずサイバーエージェントとエイベックス・ピクチャーズ、Elements Gardenが共同製作する。いわばヒットメーカー同志の強者連合だ。
 CAAnimationは、サイバーエージェントのアニメ事業ブランドである。当初よりゲーム化展開や子会社が運営する動画配信プラットフォームのAbemaTVと連動するなど、メディアミックスの方向性を押し出している。
 エイベックス・ピクチャーズは、近年『おそ松さん』、『ユーリ!!! on ICE』、『ゾンビランドサガ』などのヒットを次々に世に送り出している。映像だけでなく、アニメから派生する音楽やライブエンタテイメントのビジネスも得意とする。
 その音楽分野の担当は、Elements Gardenだ。上松範康が中心となった音楽クリエイター集団で、アニメ、ゲームに強みを見せている。これまでも『うたの☆プリンスさまっ♪』、『戦姫絶唱シンフォギア』などでアニメと音楽を連動させた作品で多くの実績を持つ。

 またアニメーション制作は動画工房が担当、これに連動するゲーム開発をワンダープラネットが手がける。
 動画工房は創立45年目の老舗スタジオ。近年は『刀剣乱舞-花丸-』や『私に天使が舞い降りた!』などのテレビアニメの元請制作でも実績を積み重ねている。
 ワンダープラネットは、名古屋で創業したゲームベンチャーである。週刊少年ジャンプ創刊50周年記念企画「ジャンプチ ヒーローズ」や、「クラッシュフィーバー」といった代表作がある。
 これまでにないハイクオリティなコンテンツになるとする。プロジェクト始動は、2020年のを指している。

 サイバーエージェントは、IT分野のメディア、広告、ゲームなどを幅広く手がける大手企業だ。新分野の進出に積極的では、テレビ編成型の動画配信サービスAbemaTVなどさらなる多角化を推進している。アニメもそのひとつにある。多様なポップカルチャーの軸となるアニメからエンタテイメントビジネスの拡大を目指す構えだ。
 サイバーエージェントは、2017年6月にCygamesとの共同で出資規模30億円のアニメファンド「CA-Cygamesアニメファンド」も組成している。ここからもアニメ力の入れ具合が窺える。ただし今回は製作にあたってファンドを活用があるのかは明らかとされていない。作品のタイトルやジャンル、そしてこれも含めて今後のビジネスの方向性、枠組みが注目を浴びそうだ。

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