「しまじろう」タイに進出 アニメ放送に商品展開、教育事業を視野

「しまじろう」タイ

 ベネッセが幼児向けに展開する「こどもちゃれんじ」の人気キャラクター「しまじろう」が、この2月よりタイに進出している。ベネッセと大手商社の伊藤忠商事、それにタイのコングロマリットCPグループでタイ最大の有料放送局のTrue Visionsの3社が、「しまじろう」のビジネスプロジェクトで合意した。True Visionsは、タイにおける「しまじろう」のテレビ番組放送と商品化でライセンス契約をした。
 まず2019年2月2日からテレビ番組『しまじろう』が『Shimajiro ; A Wonderful Adventure』として、True Visionsの子ども向け有料テレビチャンネル「True SPARK PLAY」にてタイ全土に向けて放送開始した。True SPARK PLAYは、タイ全国で80万の視聴世帯を持っている。

 テレビ番組『しまじろう』は、日本では放送開始26 年目を迎える長寿番組。アニメを中心に約30分で構成される。小さな子どもたちに人気だ。
 タイの放送では土曜日と日曜に新エピソードを投入し、平日は再放送する。毎日の放送となるだけでなく、毎日の朝・昼・晩の3 回に5分間のショートコーナーも設ける。さらにYouTubeでもチャンネルを開局する。作品の露出を最大化することで、キャラクターの認知度をあげる狙いがあるとみられる。
 さらに3社が協力するかたちで、ライセンス商品の展開も進める。認知度向上が、その後の大きなビジネス、ライセンス商品の展開につながるというわけだ。

 ベネッセにとっては、さらに大きな目標がある。「しまじろう」ブランドの拡大通じた通信講座「こどもちゃれんじ」のタイで導入だ。
 「こどもちゃれんじ」は、子どもたちもの発達段階に沿って良質で豊かな遊び・学びの体験を提供するというコンセプトのもと、幼児向け通信講座として展開している。1988 年に国内でスタートした。
 しかし国内では少子化が進み、幼児向けマーケットが縮小している。そこで人口の多いアジアをターゲットに海外進出してきた。これまでに台湾、中国、韓国などでも展開しているが、国内79 万人に対して、2006年にスタートした中国では115 万人、台湾にも12 万人の受講者がいる。2018年7月には東南アジアでは初となるインドネシアでも事業をスタートした。
 アジア全体では、206万人を超える受講者を抱える。ベネッセは2020年にはこれを250万人まで拡大する目標を持っている。タイでの挑戦はこれを視野にいれたものだ。『しまじろう』の番組放送開始は、その第一歩になる。

「しまじろう」 放送概要
放送開始日: 2019 年 2 月 2 日
放映日時: 土曜日/日曜日 6時35分~7時
      月曜日から金曜日の 15時30分~16時(再放送)
2 歳~6 歳向け/タイ語吹き替え

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る