監督・高畑勲、原案/脚本・宮崎駿、「パンダコパンダ」デジタルリマスター版全国68スクリーンで公開

パンダコパンダ

 高畑勲、宮崎駿の両アニメ監督が、若き日に仲間たちと作った映画『パンダコパンダ』が誕生45周年を記念して、2018年2月17日から劇場上映されることになった。全国68のイオンシネマにて順次公開される。
 上映されるのは傑作と名高い『パンダコパンダ』と、その続編にあたる『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』の2本。小さな女の子ミミちゃんと、パパンダ、コパンダの交流を描いた心暖まる作品だ。
 上映にあたっては、デジタルリマスター版を採用している。公開当時のネガフィルムを1コマずつデジタルスキャンし、さらに傷消しをするなどこれまでにない画質を実現した。これまでにもたびたび上映、映像ソフトでも発売されてきたが、きれいになった映像を大型スクリーンで楽しむ新しい機会となる。

 『パンダコパンダ』は、1972年に日本に初めてパンダが来日したのを記念して、東京ムービーが製作した。
 話題性の高い題材ではあったが、何よりも目を惹くのはそのスタッフの豪華さだろう。監督は当時30代で後に『火垂るの墓』や『かぐや姫の物語』をてがける高畑勲、原案・脚本・画面設定はやはり当時30代前半の宮崎駿である。不思議な動物キャラクターや小さな女の子といったのちの宮崎駿作品にしばしば繰り返されるテーマの原型が垣間見える。
 さらに作画監督に大塚康生、小田部羊一、美術監督に福田尚郎、小林七郎とこちらもトップクリエイターが集まっている。日本のアニメーション史に欠かせない作品となっている理由だ。

 ストーリーは、東京の郊外の小さな家に住む女の子ミミちゃんが、パンダの親子パンダコパンダに出会って生活をはじめるというもの。子どもやファミリーが一緒に楽しめるようになっている。可愛いキャラクターたちは、時代を超えて子どもたちに受け入れられるはずだ。
 45年前のアニメを68スクリーンもの規模で公開するのも、現代の子どもたちにこそキャラクターを届けたいといったメッセージの現れだろう。劇場は2月17日からが、太田、高崎、大井、ユーカリが丘、御経塚、金沢、新小松の7スクリーン、以降順次公開。
 料金は一般・高校生以上1100円、中学生以下800円と手頃で、先着順で『パンダコパンダ』特製コースターがプレゼントされる。詳しくは『パンダコパンダ』公式サイト、イオンシネマのサイトで確認出来る。

『パンダコパンダ』公式サイト http://www.pandakopanda.jp/

原案・脚本・画面設定: 宮崎駿
監督: 高畑勲
作画監督: 大塚康生、小田部羊一
美術監督: 福田尚郎(パンダコパンダ)、小林七郎(雨ふりサーカス)
撮影監督: 清水達正
音楽: 佐藤允彦
アニメーション制作: 東京ムービー
製作・著作・配給: トムス・エンタテインメント

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