メディアドゥ、日本マンガ海外配信でアグリゲーション業務スタート 主要6プラットフォームに提供

メディアドゥ

 デジタル書籍・マンガ流通の大手メディアドゥが、海外業務に本格的に乗り出した。2017年11月22日、メディアドゥホールディングスは、メディアドゥの米国現地法人メディアドゥ・インターナショナル(Media Do International, Inc.)を通じて、海外向けのデジタルマンガ配信のスタートを発表した。
 すでに11月7日より、現地の電子書籍ストアのKindle、comiXology、楽天Kobo、Nook、Google Play、 iBooksの6社に向けて、日本の翻訳マンガ100タイトルを提供している。日本マンガの海外ファンへのリーチを一挙に拡大する。

 メディアドゥは、国内ではデジタル書籍のアグリゲーション業務の大手として知られている。各出版社から作品の権利をまとめて、電子書籍ストアに円滑に提供するのが役割だ。同社は今年3月に同業大手の出版デジタル機構を買収し、国内のアグリゲーション事業で圧倒的な位置を築いている。
 これ以外にも、総合マンガ情報サイトのマンガ新聞やマンガのカラーリングのアルトラエンタテインメントを次々にグループ会社化している。マンガを中心とした事業の多角化に積極的だ。

 海外事業の拡大もメディアドゥの多角化のひとつとして、かねてより強い意欲を示してきた。2016年6月には、今回の事業を手がけるメディアドゥ・インターナショナルをカリフォルニア州サンディエゴに設立している。
 マンガ関連のビジネスでは、すでに多くの企業が北米事業に進出する。こうしなかでメディアドゥは、日本で実績のあるアグリゲーションの国際展開することを決めた。配信先にはコミック・マンガ配信の最大手Amazon/comiXologyをはじめとした主要デジタル配信大手を網羅している。

 メディアドゥの配信の特長は、当初の作品タイトルが秋田書店、実業之日本社、日本文芸社、ビーグリー、プランタン出版/フランス書院、ミナトプロ/エムズ といった中堅出版社からが中心となっていることだ。小学館、集英社、講談社など大手出版社はすでに自社の米国法人を通じて米国市場を開拓しているが、中小規模の出版社には単独進出は負担が大きい。今回そうした出版社の海外展開をサポートする役割を果たす。
 メディアドゥは今後も海外主要電子書店との配信チャネル確立、さらに海外向けの翻訳や電子配信の拡大を目指す。特に海外未公開のマンガのデジタル流通に力をいれる。日本マンガの多様性の紹介に、一役買うことになりそうだ。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る