「劇場版 ソードアート・オンライン」、深夜アニメ作品初の中国全国公開 初週末3位スタート

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』中国

 2017年9月15日、『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が中国6000館超で全国公開をスタートした。日本では2017年2月18日に公開され、興行収入が25億円を超える大ヒットになったことから、中国でも大きな期待がかかっていた。
 公開から3日目を終えた興行成績は、週末3日間で4000万元を超えるスタート切った。日本円で早くも6億6000万円を超える堅調な数字を残している。同じ週末にはハリウッド大作の『猿の惑星:聖戦』が公開され本作が週末興行第1位、2週目となった『スパイダーマン:ホームカミング』が第2位、『劇場版 ソードアート・オンライン』はさらにこれに続く第3位であった。

 4000万元の数字は、前週に同じく中国公開した『聲の形』の初週末3日間を2割強上回ったが、初週末6000万元超えでスタートした実写映画『銀魂』、そして5月公開の『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』には及ばなかった。
 それでも『劇場版 ソードアート・オンライン』は、現時点で中国にて公開された日本映画の興行収入で11位に位置する。アニメ映画に限れば9位になる。このうち『聲の形』、『寄生獣』は今週中に『劇場版 ソードアート・オンライン』が上回るとみられ、歴代10位にタイトルを連ねることになる。

 そして何より大きいのは、本作が日本の深夜アニメ発の作品で初めて中国で全国公開されたことだ。これが初日3日間で100万人を大きく超えるファンが映画館に足を運んだ。こうした結果は、ネット配信や原作を通じて、『ソードアート・オンライン』が既に中国の若者の間に人気を確立していたことにある。
 しかしそれだけでなく、現地ファンに向けた積極的なプロモーションの効果も大きかった。中国版公開にあたり、アーティストのLiSAは自身の主題歌を中国語でセルカバーし、新しいものにした。
 9月9日には上海で先行上映会を実施、伊藤智彦監督とキャラクターデザインの足立慎吾氏、ユイ役の声優・伊藤かな恵が現地を訪れた。また9月16日(土)にもプレミア上映を北京で開催。ここにも伊藤智彦監督とキリト役の声優・松岡禎丞が登壇した。これまでにないきめ細かな現地向けの対応だ。
 日本では深夜アニメ発の作品が、劇場興行で成功し、より広い層に受け入れられる様になっている。今後、中国でもこうした作品が受け入れられのかどうか? 先陣を切った『劇場版 ソードアート・オンライン』は確かな結果を残しそうだ。

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