月額437円「アニメタイムズ」、Amazonプライム ビデオ内でアニメ専門チャンネル

アニメタイムズ

 定額課金で動画見放題サービスを提供するAmazonプライム ビデオ内に、さらに追加料金を支払うことで豊富なアニメ作品が視聴出来るサービスが始まった。アニメタイムズ社が提供するアニメ専門チャンネル「アニメタイムズ」である。
 「アニメタイムズ」はAmazonプライム会員が税込月額437円を支払うことで、劇場アニメ、テレビシリーズ、OVAなどが見放題になる。サービス開始時には約500タイトル、7000エピソードを用意した。

 「講談社 集英社 小学館 話題作や懐かしの名作アニメが集結!Anytime アニメと過ごそう」をキャッチフレーズに挙げているように、マンガ原作の作品が中心になる。スタートに合わせて公開したPVでは、『BLEACH』、『うる星やつら』、『カードキャプターさくら』、『キャプテン翼』、『シドニアの騎士』といった作品が紹介されている。
 今後も新たなタイトルを追加する予定で、ライナップを充実させる予定だ。また「アニメタイムズ」はオリジナル作品の制作や配信も計画しているという。

 アニメタイムズ社は2014年に、エイベックスが映像配信事業に特化した専門子会社として設立した。現在の出資者は14社だが、設立当初はエイベックスと講談社、集英社、小学館の共同出資会社で大手出版社の存在感が大きい。
 映像配信の会社ではあるが、事業の中心はアニメ製作会社、出版社などの持つアニメ作品の権利をとりとめである。まとまった数の作品を各配信プラットフォームへ取り次ぐアグリゲーション業務を得意とする。
これまでは自社自身のプラットフォームを持たなかったが、今回独自のアニメ配信チャンネルをスタートすることになる。ユーザーの多いAmazonと協力することで、顧客獲得を狙う。

 Amazonプライムにとっては、「アニメタイムズ」が出来ることで視聴人気の高いアニメ作品のラインナップを充実できる。また追加サービスとすることで、売上げへの貢献も期待することになるだろう。
 一方で懸念されることもある。サービスは単独で利用できる、現在月額500円(税込)のAmazonプライムの会員であることが前提だ。現状でもAmazonプライム ビデオには多くのアニメ作品が用意されており、プラスアルファの支払いに見合う価値をユーザーが感じるかである。Amazonは2017年の米国で同種のサービス「Anime Strike」を開始したが、一年余りでサービスを終了した。アニメ専門サイトから総合サイトに視聴の中心に移る中で、アニメ専門の魅力をいかに打ち出すかが鍵になる。

「アニメタイムズ」
https://animetimes.co.jp/

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