デジモン、新しい2作品製作発表 幅広い世代でファン獲得を目指す

デジモン

 1999年の『デジモンアドベンチャー』誕生から20年以上、世代を越えて愛されてきたアニメ「デジモン」が2020年代もさらに飛躍する。アニメ「デジモン」シリーズを長年製作してきた東映アニメーションは、21年8月1日、神奈川県・横須賀芸術劇場で開催された「デジフェス2021」にて新作タイトルをふたつ一挙に発表した。
 ひとつはテレビアニメシリーズ『デジモンゴーストゲーム』で、フジテレビなどで2021年秋から放送を開始する。もうひとつは2000年に放送された『デジモンアドベンチャー02』に連なる新作映画だ。

 「デジモン」は1996年にスタートしたゲーム、アニメ、マンガなどのメディアミックスの大型プロジェクトである。90年代末から2000年代初頭にかけて一大ブームを築いた。なかでもアニメ作品は、その後も継続して制作され、時代を超えた人気を誇っている。東映アニメーションを代表する作品となっている。
 20年代に入ってからは、とりわけ活発で新作テレビシリーズ『デジモンアドベンチャー:』や、映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』といった作品が続く。
 特徴はテレビシリーズで新しい子ども世代のファンを獲得する一方で、劇場映画や劇場公開で往年のファンを再び盛り上げていることだ。近年、大きな成功を収めている戦略だ。

 今回のふたつの新作にも同様の方向性がある。『デジモンゴーストゲーム』の発表されたティザービジュアルには3人の子どもたちと本作のために新しく描き下ろされたデジモンが登場する。地上波テレビ放送もあり、広くターゲットして新しい世代の子どもたちにアピールする狙いが見える。
 『02』新作映画は、過去に人気を誇ったシリーズの復活だ。劇場映画ということもあり、かつてのファンを狙ったやや年齢をうえに向けた作品になりそうだ。制作には前作『LAST EVOLUTION 絆』のメインスタッフである田口智久氏と大和屋暁氏も参加する。
 東映アニメーションは人気作品とキャラクターを、長く、広く育てあげていくことに定評がある。それだけに近年、特に力が入る。それだけに作品はもとより、それを取り巻くビジネスにも関心が集まりそうだ。

『デジモンゴーストゲーム』
https://www.toei-anim.co.jp/tv/digimon_ghost_game
『デジモンアドベンチャー』
https://www.toei-anim.co.jp/movie/digimon-adventure/

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