細田守「竜とそばかすの姫」に、「アナ雪」キャラデやカートゥーン・サルーンのスタッフ参加


 細田守監督の最新劇場アニメ『竜とそばかすの姫』の公開時期が21年7月であることが決定、また予告編が発表された。
 舞台はインターネットのなかで巨大仮想空間「U」。歌うことの出来なくなった女子高生のすずは、「U」のなかでベルという歌姫になることで世界的な人気者になっていく。そのベルの前に姿をみせた謎の竜と共に、物語はさらに大きく動き出す。

 予告編からはすずの日常と対称的な「U」の世界が描かれて目を奪われる。今回、この特徴的な「U」の映像化に海外で活躍するトップアーティストが参加することが分かった。そのスタッフ陣が豪華だ。
 まず「U」の世界での主人公となるベルのデザインをディズニー・アニメーション・スタジオで長年キャラクターデザインを手がけたジン・キムが担当した。ジン・キムの代表的な仕事には『アナと雪の女王』や『ベイマックス』、『ズートピア』などある。
 また「U」の世界のイメージを作り上げるコンセプトアートは、英国の建築家・デザイナーのエリック・ウォンによるものだ。都市空間のイメージづくりに定評があり、『竜とそばかすの姫』でもそれが活かされそうだ。
 さらにアイルランドのアニメーションスタジオであるカートゥーン・サルーンのトム・ムーア、ロス・スチュアートといった監督、トップアーティストが本作の制作に参加する。カートゥーン・サルーンの最新作『ウルフウォーカー』は、本年の米国アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされている。さらに『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』、『ブレンダンとケルズの秘密』とアカデミー賞ノミネートの常連だ。アイルランドに拠点を持つカートゥーン・サルーンは、いま世界で最も注目されるスタジオである。

 名だたるクリエイターの協力は、世界で細田守監督へのリスペクトがますます高まっていることと無関係でないだろう。細田守監督の前作『未来のミライ』は米国アカデミー賞にノミネートされている。是非、一緒に仕事をしたい監督というわけだ。
 同時にこれも前作からより明確になってきた日本の観客だけでなく、世界の観客に向けて作品を届けるという方向性もあるだろう。世界の才能が集結することでより多様な世界と作品が実現し、より多くの人たちから注目を集めることができるからだ。
 作品が変わるごとに新たな挑戦に乗り出す細田守監督。『竜とそばかすの姫』でも、まだ見たことのないような作品が期待できそうだ。

『竜とそばかすの姫』
2021年7月公開
https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/

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