「海獣の子供」、韓国の国際アニメーション映画祭でグランプリに輝く

富川国際アニメーション映画祭

 2020年10月23日から27日まで韓国で開催されていた富川国際アニメーション映画祭が、今年度の受賞作品、受賞者を発表した。長編部門のグランプリには、日本から出品された『海獣の子供』が選ばれた。『海獣の子供』は音楽賞も同時受賞した。
 『海獣の子供』は五十嵐大介のマンガを原作にSTUDIO 4℃がアニメーション制作、渡辺歩が監督した。作曲は宮崎駿作品でもお馴染みの久石譲が手がけた。手描きアニメーションの伝統と最新のCG技術を駆使した美しい映像が話題を呼んだ作品だ。日本では2029年6月に劇場公開されている。

 長編部門の審査員特別賞のひとつには、日本とインドネシアの合作映画『トゥルーノース』も選ばれている。清水ハン栄治が監督を務めている。
 このほか短編部門でも特別賞に日独合作の『JUST A GUY』(監督・原翔子)、VR部門で『攻殻機動隊 GHOST CHASER』(監督・東弘明)が審査員賞を獲得。日本からの受賞が相次いだ。

 富川国際アニメーション映画祭は、1999年にソウル近郊の富川市でアニメーションに特化してスタートした。多彩な部門設置が特徴だ。富川市はマンガ博物館が設置するなど、コンテンツ産業振興に力をいれている。
 韓国ではソウル国際アニメーション映画祭(SICAF)も名前が知られている。しかし富川は韓国で唯一アニメーション部門で米国映画芸術科学アカデミー公認の映画祭となっている。

 『海獣の子供』は、国内での興行規模は大きくなかった。しかし、第74回毎日映画コンクールアニメーション映画賞、第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞するなど、その評価は高い。今回はそうした作品が海外でも認められたかたちだ。

富川国際アニメーション映画祭
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